10月に入って咲いていたキンモクセイの花が、10月16日、東京にやって来た台風26号のおかげで散ってしまいました。10日間ほど優美な香りを楽しむことができたでしょうか。
吹き荒れる嵐の音を聞きながら、一方でカツラの葉が吹き飛ばされないか、気を揉んでいました。というのは、カツラの葉が黄葉しはじめていたからです。
カツラは秋の紅(黄)葉樹のなかでは早い段階に黄葉します。ハート型の葉が黄色に色づき、落葉するそのときに芳香が漂います。甘いというか、甘酸っぱいというか、なんともよい香りです。10数年前、愛犬と公園を散歩していたとき初めて気づいたのですが、この香りに触れると秋の深まりを感じずにはいられません。
『園芸植物大事典』によると、「和名のカツラの語源は、香出(カヅ)であろう」と記されていました。葉は香をつくるときに利用されていたようです。公園樹としても広く植栽されています。
それにしても、秋、落葉するときに芳香を放つというのは不思議な話です。いろいろ調べてみましたが、メカニズムはわかりませんでした。果たして、カツラの木にどんな生態ドラマが隠されているのか、古い植物であるだけに興味が尽きません。
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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<10月21日メールマガジンにて配信>
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