菊花展のシーズン、新宿御苑の菊花壇展(会期11月1日~15日)に出かけました。菊花壇展は明治11(1878)年、赤坂の仮皇居で開催された「菊花拝観」に由来する、歴史的な菊花展です。昭和4(1929)年からは新宿御苑で開催するようになりました。
広い園内には「大菊」、「懸崖作り」、「大作り」、「一文字菊・管物菊」の花壇、そして「江戸菊」、「伊勢菊・丁子菊・嵯峨菊」、「肥後菊」といった古典菊の花壇が展示されていました。しかも各花壇とも日本庭園を回遊しながら鑑賞できるように独立した配置でした。
お目当ては大作り花壇。たった一株から500~600輪の花を咲かせる栽培技術と丹精は園芸の妙味がいっぱい詰まっています。今年は‘白孔雀’(花数450輪)、‘裾野の輝’(花数518輪)、‘裾野の月’(花数518輪)が展示されていました。
新宿御苑の菊科担当によると、「秋の菊花壇展にあわせるため、昨年夏にさし芽をしてから15か月をかけ、数百輪の花が同時に、同じ大きさで咲くように、芽の勢いが常に揃うように栽培している」という話でした。さらに――。
「大作りで咲かせるためには、摘心して芽の数をどんどん増やすこと、しかも枝や茎も伸ばさなくてはなりません。芽数を増やすことと枝茎を伸ばすという、相反する要素を実現させるところに苦心と面白さがあります」(菊科担当)
迫力満点の展示に込められた15か月という丹精、そして尽くされた園芸ノウハウの粋。咲き誇る数百輪の花は菊づくりの醍醐味を教えてくれます。
(※新宿御苑注意事項:酒類は持込禁止、遊具類は使用禁止)
(写真左)迫力満点の大作り花壇。花数518輪の黄色の大菊が、半円形に仕立てられている。品種名は‘裾野の輝’
(写真中央)一文字菊、管物菊花壇。大輪の花が「黄→白→紅」の順で重なることなく整然と並び、迫力がある
(写真左)伊勢菊、丁子菊、嵯峨菊花壇。咲き始めは萎れているが、垂れ下がって満開となるところが伊勢菊の面白さ
▼ 新宿御苑
http://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/
▼ アルバム 新宿御苑の菊花壇展
http://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_fh_album&target_c_album_id=7752
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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<11月10日メールマガジンにて配信>
【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。メールマガジンとFacebookページにも掲載しています。
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