いよいよ12月、年末のフラワーショップ店頭にシクラメンが並び始めました。冬の室内を明るくしてくれるシクラメンの華やかな花。このシクラメンを見ると、テキスト「NHK趣味の園芸」創刊の頃、1970年前後を述懐する園芸家・江尻光一さん(故人)の姿を思い出します。
「戦後の混乱から復興期そして高度成長期、日本人は食べること、生きることで精一杯でした。ようやく花を育てる余裕が出てきたのが昭和40年代(1970年前後)。その頃になると住宅事情も改善され、鉢花が普及するようになったのです。歌謡曲「シクラメンのかほり」の大ヒットはその頃ですが(1973〈昭和48〉年)、当時、シクラメンはよく売れました。園芸ブームを牽引した花だったのです」(江尻光一さん)
小生の記憶ですが、1970年頃、自宅に突然、シクラメンがやって来て、なぜか浴室に置かれていたのを不思議に思ったことを覚えています。
この1970年前後、園芸史としてはいくつかエポックがあります。「NHK趣味の園芸」番組開始が1967(昭和42)年、1973(昭和48)年にテキスト「NHK趣味の園芸」創刊。いくつかの園芸雑誌がスタートしたのもこの頃です。サツキブームが1970(昭和45)年頃、シンビジウム・メロディフェア'マリリンモンロー'の発表も1973(昭和48)年でした。
世界第2位の経済大国になり、花好きな日本人が身近な生活空間で楽しめる鉢植えの花を買い求めた……。昔から園芸植物は鉢植えでも栽培されてきましたが、暮らしを彩る園芸商品としての鉢植えの花、鉢花が脚光を浴び、認知されたのが1970年前後だったということなのだろうか!?――シクラメンの花を見るたびに、江尻さんに聞いてみたかった問いが脳裏によみがえってきます。
(写真左)冬の室内を華やかに彩るシクラメン。花の色も姿もさらに多彩になった
(写真中央)花弁が反り返らず、萼が白く大きいシクラメン。昔風にいえば源平シクラメンか
(写真右)人気品種‘ビクトリア’の面影を残すシクラメン。どこか懐かしい
(協力:プロトリーフ ガーデンアイランド玉川店)
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(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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