いま、植物園の生態園に咲いています。私がキンポウゲ科植物の中でもっとも好きな植物の1つです。日本固有のレンゲショウウマ属の唯一の種。稀にしか見ることができず、初夏に福島県の山地の林床に、この薄紫の花を初めて見つけたときは感激して、しばらくその場から立ち去りがたく思ったものです。
花は直径2〜3.5センチ、7〜10枚の萼片が外側に広がり、萼片より小さい10枚の花弁が花の中心に筒をつくっている。花弁の基部に蜜腺がありますが、訪花昆虫はまだ見たことがありません。雄しべは多数、雌しべ(心皮)は2〜4個。
むかし、と言っても50年ほど前、キンポウゲ科とモクレン科を合わせて多心皮類と呼び、それらを原始的な被子植物と捉える仮説がありました。2つの科はともに花が多心皮(多数の雌しべ)をもつことを共通の特徴としていました。今は、DNAの比較によって、キンポウゲ科とモクレン科は全く異なる進化系列にあることが証明されています。そのため「多心皮類」も死語ですが、花の進化を考えるときには多心皮が祖先に近い特徴を残していることに変わりはありません。進化上あとで登場した多くの植物の花は多心皮が合着し、1つになった雌しべをもっているからです。
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