京都府立植物園さんの園芸日記

ツンべルギア・マイソレンシス

2020/06/14
ツンべルギア・マイソレンシス 拡大 写真1 ツンべルギア・マイソレンシス 拡大 写真2 ツンべルギア・マイソレンシス 拡大 写真3

 キツネノマゴ科(220属4,000種)の1種。観覧温室に入って左手に入るとすぐに、藤の花のように上から垂れ下がるツンべルギア・マイソレンシスの花に歓迎されます(写真左)。原産地はインド南部の熱帯。種小名のマイソレンシスは、インド南部の都市マイソール(Mysore)の名前です。
 花は20個以上が集まって1つの花序をつくり、下向きに垂れ下がっています。そのため、花序では下から上に向かって、我々の目線では上から下に向かって順に花が開きます。開花するころ、蕾は花柄を下から上に180度持ち上げ、それに合わせて花も180度上に向かって持ち上がり開きます(写真中央)。大きな左右相称形で、上下5センチぐらいの幅があります。花はもともと5数性なのですが、萼片はたぶん2枚しかなく、蕾のときは1枚に合着してできた萼筒が、5枚の花弁+4本の雄しべ+1つの雌しべを包んでいます。5枚の花弁は合着して大きな花筒をつくり、4本の雄しべは長い花糸の基部が花筒の基部にくっ付いています。開花すると萼筒は左右2枚に裂け、花が終わると、花筒と雄しべが脱落し、2枚に裂けた萼片と子房とその周りの大きな蜜腺が残ります。
 花は、萼筒も花筒も褐色ですが、開花すると筒状の内部は明るい黄色を示します(写真右)。おそらくその色と花の下方に大量にあふれる蜜が、送粉者(太陽鳥だと言われています)を呼ぶのでしょう。開花した花では、雄しべの先端と雌しべの先端(柱頭)は花の上方に位置し、蜜は花筒の下方にあふれているため、吸蜜作業すると花粉は鳥の頭に付くと思われます。雄しべの先端は大量の毛をつけているため、一旦ここに花粉を付けてから鳥に運ばれるかも知れません(写真右)。
 花の形から、ご夫人のスリッパとか、お人形さんの靴、とも呼ばれるそうです、なるほど。

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