1.はじめに
数年間栽培を続けていた見切り品のコモンタイムでしたが…
今年(2020)の春の植え替えや梅雨前の刈り込みで弱ってしまい、本格的な梅雨に入る頃には枯れてしまいました。
振り返ると梅雨前のタイムの刈り込み作業が思いのほか好きでしたw
それが無くなるのが寂しいので再挑戦したいと思います。
しかも苗からではなく種から。
なぜって、欲しかったオレンジタイムが種子しか手に入りそうもなかったのでw
2.播種(2020/09/04)
種子を一晩メネデール希釈液に漬け込みました。
ま、おまじないみたいなものですねw
鉢と培土はジフィーセブン(直径3.5cmほどの小型タイプ)を使用します。
ジフィーセブンの種を蒔く面を均(なら)して、各ポット4粒ずつ計4ポット(16粒)を播種しました。
ちなみに覆土はせず鎮圧のみです。
最終的には各ポット1株ずつに、更にその中から香りの強い1株に絞り込みたいと思っています。
3.発芽(2020/09/11)
最初の発芽を確認しました。
黒い培土の上に白くて細い胚軸がチョロリと見えます♪
一週間ほどで最初の発芽は『まーまー』な結果ではないでしょうか?
とりあえず目指すは一鉢二芽の5割発芽です♪
発芽のタイミングが揃ってくれることを願い…
これからの数日、しっかり観察を続けたいと思います。
ふぅっ!
まずはボウズ(全滅)は免れたので一安心w
というか、この写真なんだかわかりませんね…
4.補完計画(2020/09/15)
最初に発芽した芽が双葉を展開するかしないかで枯れました。
2~3日に1回のペースで潅水していますが、前回の潅水後に急に色が悪くなりました。
乾燥を好むタイムだけに根腐れ的な感じでしょうか…
2個目の芽に期待です。
しかし発芽率が悪いです…
これ以上の発芽は期待できそうもないので、残りの種子(17粒)を追い蒔きします。
未発芽の3ポットに5粒ぐらいずつ蒔こうかな♪
とりあえず吸水開始。
5.追い蒔き山(2020/09/17)
今回は種子を丸二日じっくりとメネデールに漬け込みました。
予想外に後から別ポットで一つ発芽したので、未発芽ポットが2つになってしまいました♪
よって種子は、その2つの未発芽ポットに半分(約8個)ずつ蒔きました。
現時点での発芽率は2割ほどなので、各ポット1~2芽ずつ発芽すれば御の字です。
ずいぶん苦戦中ですが…
それはそれで楽しいですねw
ちなみに、キラキラ光る白い粒は牡蠣殻粉です。
6.やっぱりダメ(2020/09/18)
やはり潅水後に2個目の芽が弱り始めました。
今回も双葉を開くか開かないかの時期です。
アゾリナ・ヴィダリーの発芽時と同じような感じ…
う~ん、過湿が原因な気がしますね。
種子が持っていた栄養だけで生育する時期から、外界から栄養を取得する時期への切り替えで失敗しているのかなぁ。
だとすると培土(ピートモス)やpHも怪しい…
追い蒔きは砂系の培土にすれば良かったかも。
7.高速発芽(2020/09/19)
種子の吸水作業を丸二日へ延長したのが功を奏したのか…
播種二日目にして追い蒔き種子の発芽を確認しました。
1回目と2回目で種子を蒔いた場所が違うので、コレは確実に追い蒔き分の芽です。
今までで一番太くて丈夫そうな芽です♪
これで 4/33 の発芽で、発芽率は約12%となりました。
ちなみに現在生き残っている芽は、3個目と4個目の2芽です。
厳しい戦いですw
8.本葉(2020//09/28)
1~2番目の芽は枯れてしまいましたが…
3番目以降の芽は元気に育っています♪
で、その3番目の芽に本葉が出ました。
また本日、11個目の発芽も確認しました。
ここ何日かで新たな(追い蒔き種子の)芽がチョコチョコと出てきています。
発芽時期は全く揃いませんが…w
これで発芽率は33%(11/33)になりました。
3割発芽すれば及第点ですかね。
でも双葉の奇形が目立つな…
9.微妙な感じw(2020/10/24)
結局、33粒播種して11個の発芽でした。
発芽率で言うと33%。
市販の種としてはかなり成績が悪いですねw
で、発芽した芽ですが。
ほとんどが双葉を展開するかしないかのところで成長が止まり、その後ジワジワと枯れてゆきました。
本葉の展開までたどり着けたのは2つだけです。
ま、栽培者の技術が未熟なのは否めませんが…w
オレンジタイムは種子からの栽培が比較的難しい部類かもしれません。
10.天変地異!(2020/11/21)
ずっと階段中ほどの窓の桟(額縁)で栽培していました。
北向きですが意外と広く、光もかなり入る場所です♪
風が直接当たらない場所に置いてありましたが、気が付くと階段下に転げ落ちていました。
苗は大小の2つあり、小さい方はつぶれて再起不能…
大きい方は奇跡的にノーダメージ♪
この機に乗じてポット上げし2階の出窓に移動します。
急な事だったので、実生の翁草(昇天)のポットを転用しました。
11.追肥(2020/12/06)
まだヒョロヒョロで頼りないですが…
脇芽も出始めており、思ったより活動的です。
南向きの出窓ですぐ脇には加温マットもあり暮らしやすい環境なのかもしれません♪
まだしばらくは活動を続けそうなので、ここらで追肥をば。
マイガーデンを10粒ほどパラパラと撒きました。
後は様子を見ながら月1~2回の液肥や活力剤を。
しかし33粒蒔いてポット上げ出来たのが1株とは…
ちと寂しい結果ですねぇw
12.越冬タイム(2021/02/15)
ジワジワですが…
弱る気配も全くなく着実に大きくなっています。
何か大きなヘマをしない限り、冬を越えられそうです♪
で、春にワッサワッサと茂ったら、早速挿し木で株を増やそうと思います。
なるべく梅雨前に2~3株は欲しいですね~
タイムは、梅雨時期いきなり弱って亡くなる事が多いので…w
梅雨前に茂らなかったらどうしよう…
13.忘れてたw(2021/07/01)
更新するの忘れていましたw
少し弱々しいですが、とりあえずタイムらしくモサモサになってきています。
タイムは急な枯れが多いので、早めにバックアップ株を作っておきたいところです。
というわけで、近々この株を散髪してさっぱりさせ…
切った枝で挿し木をしたいと思います。
時期的にも今(梅雨)が良いみたいですし。
親株がまだ小さいので散髪後に枯れないか少し心配です。
親子の共倒れが最悪ですw
14.挿し木(20201/07/04)
早速ですが挿し木を実施。
モシャモシャした部分を解き、込み合っている所を透くように挿し穂を採ってゆきます。
小さいにもかかわらず10本も挿し穂を採ってしまいましたw
ここで一つ気になることが。
先ほど剪定した ”苗から育てたレモンタイム” は、ハサミを入れるとかなりの香りが周辺に立ち込めました。
一方オレンジタイムは全く香りがしません。
株が幼いからですかね?
もしかして実生だから?
15.親株枯死(2021/08/10)
親株が逝きました。
気温が高くなった7月下旬くらいから調子が落ち始め、2週間ほどで枯死。
挿し穂を採ってから弱り始めるまでの2~3週間は結構元気だったので、挿し穂の取り過ぎでは無いと思うのですが…
とりあえず挿し木の方は3株が元気に成長を続けているので、今後のレポートはそちらの株で続けます♪
しかし、タイムはホントに一寸先は闇ですね…
園芸の 転ばぬ先の 挿し木かな♪
16.ハル・ハル・ハル(2022/03/10)
挿し木達が無事に冬を越えました♪
置き場所的に数をあまり増やしたくないのですが…
タイムは突然死が多いので、この3株は諦めて全て栽培しますw
各株とも結構しっかり生育しているので、戸外管理に移るタイミングで1株ずつに分けて鉢上げしようかな。
ま、鉢上げって言ってもきっと3号程度のポリポットになると思いますがw
で、いつ戸外管理に移すか…
17.鉢上げ(2022/04/28)
4月中旬に2.5号のポリポットから3.5号の硬質ポリポットへ鉢上げし戸外へ移動。
根張りが弱そうだったので、根鉢はほとんど崩さず植え替えました。
よって株も分けずに1鉢2株のままですw
追加した土は適当ですが…
極細目のフルイで排水性を悪くする細かい土は排除してあり、更にバーミキュライトを添加しています。
湿り続けは苦手なので排水性は大事ですが、タイムって思ったより水を欲しがるんで。
18.逝った(2023/01…下旬)
乾燥気味に管理していたんですが、乾燥し過ぎたか?
冬を越せずに枯れてしまいました。
残念。
やはりタイムは難しいですね~
雰囲気は雑草ぽくて強健そうなんですが…w
実にあっけなく皆さんお亡くなりになってしまいます。
相性があまり良くなさそうなので一旦タイムとはお別れしようかなぁ~
といいつつ、種子が残っていたので、ついついポットに蒔いちゃったw
あれ??
なんか記述できる文字数が増えてる!
では記念にもう少しw
乾燥気味に管理しようと思うと、どうしても葉がシナシナするまで潅水を控え(忘れ)てしまいますw
潅水タイミングが自分の感覚とどうしても合わない植物ってありますよね…
もしかしたらタイムが私にとって、そういう植物なのかもしれません♪
わたしの育て方
埼玉県南西部の平野部市街地(Hardiness Zone:9a)で栽培。
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_mo_diary_detail&target_c_diary_id=633106
🌱栽培環境
発芽までは室内で管理します。
発芽後は出窓(光と空気の動きがある場所)へ移動する。
🌱水やり
発芽するまでは土が湿った感じを維持します。
発芽後は、徒長を防ぐためなるべく過湿は避けたい。
🌱肥料
とりあえず発芽してしばらくは与えません。
子葉展開後から、根の成長補助として週一程度で薄いメネデールを与える。
🌱病気と害虫
不明。
🌱用土と鉢
ジフィーセブン(ピートモス)へ播種。
🌱主な作業
🎈本葉が4~5枚の頃に1ポット1株まで間引く。
🎈本葉が8~10枚の頃に育苗ポット(3~4号)へ。
🎈ポットの底まで根が回ったら鉢(5~6号)上げ。
🎈梅雨~夏場の急逝に備えて挿し木を準備。
■□■ 栽培者のつぶやき ■□■
💬2020/09/04
コロナの影響なのか、苗は送料が高かったので諦めました。
挿し穂がオークションサイトで出回っていましたが、新鮮さに疑問符がつくので回避。
という事で、やっぱり実生になりましたw
種子は藤田種子(イギリスからの輸入種子)で30粒入りを購入。
タネ袋には発芽率60%以上との記載があります。
栽培は Fitófiloさんの「ワイルドタイムを種から育てる」(
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_r_detail&target_report_id=11972)を参考に進めます。
💬2020/09/14
最初の芽と同じポットに2個目の発芽を確認。
💬2020/09/17
別のポットに3個目の発芽を確認…
💬2020/09/18
ヴィダリーをピートモスに播種した時とかなり似てるんですよね、亡くなり方が。
粗目の培土に蒔いたヴィダリーは本葉の展開まで結構順調でした。
💬2020/09/21
5つ目の芽を確認。
💬2020/12/06
この少量の化成肥料と、月1回程度の液肥か活力剤で来春まで進めます♪
💬2020/12/13
なんと!
🚩オレンジタイムとオレンジバルサムタイムは別品種だという記述を見つけました。
私はこの2種は同じものだと思っていました…
この両方を育てている方が「明らかに葉も香りも色も違う」とおっしゃっています。
ちなみにオレンジバルサムタイムはコモンタイムの変種のようです。
私が蒔いた種子の袋には「オレンジタイム」と表記されていました。
よって学名を「Thymus fragrantissius」(オレンジタイム)に変更しました。
でも写真と現物を見比べると、どちらかと言えばオレンジバルサムタイム(Thymus vulgaris 'orange balsam')に似ている気がしますw
💬2021/07/04
挿し穂は1時間ほどメネデール希釈液に浸した後、1ポット5本ずつ2ポットに挿しました。
ルートン(発根促進剤)もしっかりまぶして挿しています。
ちなみに発芽の見込めないフリチラリアを播種したポットを流用しましたw
種子を蒔いたセンターを避けて周囲に5本ずつ挿します。
これで万が一フリチラリアが発芽しても対応可能かと♪
💬2022/04/28
2株植わったポットと1株植わったポットの2つありました。
その内、比較的生育が良い2株の方を植え替えました。
1株の方は…そのまま室内管理で放置プレーw
💬2022/06/01
単独で植わっている株が枯れました。
残り、1鉢(2株)。
💬2022/08/28
新芽がチョコチョコ生えて来たので、枯れたり弱ったりしている枝を刈って、風通しを良くしました♪
💬2022/09/29
9月上旬に2株生えているうちの1株が枯れました。
ダメになった枝などを切って風通しを良くしたのがきっかけで、そこから一気にもっていかれました。
他にもう一鉢レモンタイムを栽培していたのですが、そちらも同じ時期にハサミを入れたら速攻で枯れました。
🚩タイムは夏(体力が落ちている状態)の剪定は厳禁と覚えておこう!
風通しより養生最優先で♪
皆さんご存じのハーブ、タイムです。
日当たり、風通しがよく、比較的乾燥した水はけの良いやせ地を好みます。
そのため日本の夏の高温多湿期には、良く枯れたり腐ったりします。
タイムは種類が豊富でどの品種を育てるか迷いました。
コモンタイムのような立ち性で梅雨前の刈り込み作業を楽しめて…
更に丈夫で香りが強くて…
と探してゆくと「オレンジタイム」に行きつきました。
オレンジタイムは苗や種子もあまり出回っていないようです。
こういうレア感も大事ですw
さて、種子からの栽培で香りの良いタイムは出来るのでしょうか?
< USDA Hardiness Zone:6-8 >