テキスト12月号では、エアプランツのパワーを全開にする新しい楽しみ方を紹介!
丈夫で育てやすいことから、インテリアとしても大人気のエアプランツ(ティランジア)。種類も豊富で花も美しく、ユニークな表情を楽しめるのが魅力です。『趣味の園芸』2019年12月号では、そんなエアプランツの新しい楽しみ方を「エアプランツ 満開&巨大化計画」として掲載。今回はその中から、「巨大化計画」について紹介します。
教えてくれた人:杉山拓巳(すぎやま・たくみ)
熱帯植物栽培家。愛知県でビカクシダをはじめ、ティランジアやアンスリウムなど多種多様な熱帯植物の生産、栽培法の研究を行う。「今、熱い植物」第3回 ビカクシダにも登場。
「植物の底力を引き出して巨大化にぜひチャレンジしてみてください!」
エアプランツとは、ティランジア(チランジア、Tillandsia)の一般名で、中南米が自生地。乾燥した土地や熱帯雨林、熱帯高地などの過酷な環境で、樹木の幹や岩などに着生し自生します。以前は「水を与えなくても大丈夫」との誤解もありましたが、じつは水が大好き! 品種も豊富で小型種から大型種まで、手に入りやすいものもふえています。
エアプランツのもつ潜在能力を最大限に引き出せるのが「巨大化計画」です。温室など特別な施設がなくても、関東地方以西で環境さえ整えれば、家庭でもわずか一年で大きく育てることが可能です。
写真は、巨大化におすすめの壺型タイプ*の代表的なエアプランツ、ティランジア・ストレプトフィラ(Tillandsia streptophylla)。
*株元がふくらむタイプ。アリに住みかを提供する代わりにふんなどの肥料を吸収。巨大化しやすい。
巨大化のためには葉幅の広い種類を選ぼう!
葉幅が広い種類を選ぶことが、巨大化の第一歩。小型種から大型種まであり、細く短い葉の小型種は大きくなりません。100円ショップなどで見かけるのは、5~6cmほどの大きさです。半年から一年かけて10cmまで育ててから、巨大化にチャレンジしてみましょう。
★注:エアプランツは、11月~2月末ごろまで生育停滞期に。この時期、種類によっては開花などが楽しめますが、巨大化させるならば、3月から始めましょう。
根元を水につけっぱなしにしよう!
水が大好きなエアプランツは、じつは根からも水を吸収。根や株元を「水につけっぱなし」にすると、ぐんぐん育ちます。ただし風や湿度管理などの条件も必要です。
巨大化したら株を傷めないで
種類にもよりますが、わずか1年で45~55cmまで巨大化します。もともとの自生環境を自宅でできる範囲で再現することが大切です。
自生地の環境にできるだけ近い環境で育てるのが基本です。戸外でも育てることができますが、巨大化を目指す場合は少し遮光(30%ほど)したほうがよいでしょう。
<ポイント1>24時間換気で風を動かす!
エアプランツには、風が何よりも重要です。室内の24時間換気だけでは不十分。風が止まってしまうと、植物の代謝(蒸散作用)が悪くなり、弱ってしまう原因になります。
<ポイント2>吊り鉢+皿で水につけっぱなしに!
巨大化を目指すなら、根や株元を水につけっぱなしにして育てます。春から秋にかけて一気に成長しますが、風を動かしていないと腐ってしまうので要注意です。
<ポイント3>2種類の肥料で成長を促そう!
自生地の環境にできるだけ近づけるには、肥料が大切! 巨大化におすすめの液体肥料に動物性の完熟堆肥を足すことで、一気に巨大化します。
撮影/田中雅也
この記事は『趣味の園芸』2019年12月号「エアプランツ 満開&巨大化計画」を編集、抜粋したものです。
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