今、熱い植物「プレウロタリス」

プレウロタリス・ディレンマ
葉の形状もユニークな、プレウロタリス・ディレンマ(Pleurothallis dilemma

第11回 奇花ぞろいのミニチュアオーキッド…プレウロタリス ― 今、熱い植物アーカイブ

南米生まれの奇妙な花

プレウロタリスは中南米に広く分布するラン。大きなものでは草丈1mに及ぶものもあるが、多くは数cm~10数cmほどのミニチュアオーキッドだ。草丈が小さいものは花も小さいが、個性的な花も多い。

プレウロタリスの多くは葉の上、あるいは葉の下に花を咲かせる。

「花が極力雨露をかぶらないようになってるんだね。花の形も、花弁がドーム状になっているものもあったり、どれも個性的で楽しいよ」

そう語るのは、東京都八王子市でラン園を営む松本正昭さん。プレウロタリスに魅了され、多くの種類を日本国内に紹介している。

花も変わっているが、葉の形状もユニークなものが少なくない。そのなかでも最たるものが、上写真のディレンマだろう。小さくて形のおもしろさがあるという意味では、多肉植物やケープバルブ(*)のような楽しさがある。

現在、すでに2000種が発見されているが、分布地域には政情不安定なために調査が進んでいない地域も多く、まだまだ見つかっていない新種が多く存在するはずだといわれている。現在進行形で、新しいものが登場してくるという意味では、原種ベゴニアにも似たわくわく感があるともいえる。

*南アフリカ原産の球根植物のこと。


松本正昭

松本正昭(まつもと・まさあき)

ラン園園主。東京都八王子市で、ユニークな品ぞろえで知られるラン園を営む。植物への愛情あふれる語り口のファンも多い。


いろいろなプレウロタリス

プレウロタリス・ニプテロフィラ
プレウロタリス・ニプテロフィラ Pleurothallis nipterophylla
葉のつけ根から複数の花を房状に咲かせる。エクアドル原産種。草丈12cm。
プレウロタリス・カルディオタリス‘シャルロット’
プレウロタリス・カルディオタリス‘シャルロット’ Pleurothallis cardiothallis ‘Charlotte’
ハート形の葉の中心に下向きに花を咲かせるカルディオタリスの選抜品種。エクアドル原産種。草丈10cm。
プレウロタリス・スクルーラ
プレウロタリス・スクルーラ Pleurothallis scurrula
多くのランでは花の下に展開するリップという花弁が、この種では上向きに咲く。エクアドル原産種。草丈15cm。
プレウロタリス・アレニイ
プレウロタリス・アレニイ Pleurothallis allenii
野の草の風情を感じさせる細い葉に、細くとがった小さな花を咲かせる。パナマ原産種。草丈8cm。

撮影/田中雅也 編集/土屋 悟 撮影協力/松本洋ラン園

『NHK趣味の園芸』テキスト大好評連載「今、熱い植物」アーカイブ
この記事は『趣味の園芸』2018年2月号「今、熱い植物」を編集、抜粋したものです。

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プレウロタリスの植物図鑑

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