今、熱い植物「ミニコーデックス」

ペラルゴニウム・トリステ
ペラルゴニウム・トリステ(Pelargonium triste)「ラフな茎のテクスチャーと柔らかな葉の風合いのコントラストを楽しむ。(山城智洋)」

第23回 冬に楽しむミニコーデックス ― 今、熱い植物アーカイブ

コンパクトな姿に詰まったコーデックスの魅力

人気の多肉植物のなかでも、とりわけコアな層を惹きつけているコーデックス(塊根植物、塊茎植物)。木質化してザラッとした手触りの塊の存在感、そこから伸びるしなやかでみずみずしい枝葉のどちらも楽しめるおもしろさがある。パキポディウム・グラキリウスやアデニア・グラウカ、ディオスコレア‘亀甲竜’などさまざまな種類の栽培を楽しんでいる人は多い。

こうした種類は小型の実生株も流通しているが、やはり大株に育てるのが醍醐味だろう。

「迫力のある大きな株を育てるのもコーデックスの楽しみの一つではありますが、小さいうちから株姿のおもしろさを楽しめる種類もあるんですよ」

そういって、大阪でサボテン・多肉植物店を営む山城智洋さんが見せてくれたのがペラルゴニウム、チレコドン、オトンナなどのコーデックスの小株。

「パキポディウムなどの大株以外にも個性的なコーデックスはたくさんあります。細かな枝がたくさん出てこんもりとした樹木のような姿になるものもあり、そうしたタイプは、細かい葉や柔らかな葉を茂らせると、風景を感じさせる姿になっていきます」

ペラルゴニウム・トリステは木質化した太い塊茎から左右にバランスよく葉が広がり、さながら大樹のようなたたずまいを感じさせる。

「ザラッとした肌の存在感もありながら柔らかな葉があったり、プクッとした多肉質の質感も楽しめるのが小型コーデックスのおもしろさですね」


山城智洋

山城智洋(やましろ・ともひろ)

園芸研究家。大阪府でサボテン・多肉植物店を営む。「みんなの趣味の園芸」多肉植物・サボテン図鑑にも執筆中。


いろいろなコーデックス

チレコドン・レティキュラータス
チレコドン・レティキュラータス(万物想)(Tylecodon reticulatus花が咲いたあとの花柄が茂った独特の株姿に、ふっくらとした葉が生える。
オトンナ・ユーフォルビオイデス
オトンナ・ユーフォルビオイデス(Othonna euphorbioides花が咲いたあとの花柄がとげのように残る。青白い葉と幹肌の対比が美しい。
モニラリア・モニリフォルミス
モニラリア・モニリフォルミス(Monilaria moniliformis木質化した茎が年々伸びていき、その先端にウサギの耳のような形の葉がつく。

撮影/田中雅也 編集/土屋 悟 取材協力/山城愛仙園

『NHK趣味の園芸』テキスト大好評連載「今、熱い植物」アーカイブ
この記事は『趣味の園芸』2019年2月号「今、熱い植物」を編集、抜粋したものです。

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