第24回 珍奇! アリ植物 ― 今、熱い植物アーカイブ
アリ植物と呼ばれるユニークな植物のグループがある。その植物体内には空洞があり、アリはそこを巣にして生活する。
「自らの生存のために自分の体を、アリがすみやすいように進化させてきた植物たちです。生態もですが、その独特な造形も、アリ植物の大きな魅力です」
そう語るのは伊藤彰洋さん。アリ植物の栽培については国内でもトップクラスの技術を持ち、自生地の環境にも詳しい。
「アリ植物の多くは樹木の幹などにくっついて生きている、着生植物です。枯れ葉などに由来する栄養分や雨の水分がしみ込んだ土がない樹上は、植物が生育するには厳しい環境です。そうした環境を生き抜くために、アリと共生ができるよう進化した種類があります」
アリがすむ部位は植物によって異なり、肥大した塊茎や塊根、ランのバルブ、ふくらんだ葉の中などさまざまだ。アリ植物はすみかを提供するだけでなく、花以外からも蜜を分泌して食べ物を提供するなど、アリにさまざまなメリットを提供する。
「ビカクシダの仲間にプラティセリウム・リドレイという種類がありますが、貯水葉の内側がアリの巣になっているようです」
アリ植物は、ほかの外敵からアリに守ってもらうとともに、ふんを栄養にすることができるなどのメリットがあるのだという。
伊藤彰洋(いとう・あきひろ)
園芸家。各種アリ植物の栽培に造詣が深い。雨林植物の採集、栽培も行う。
撮影/田中雅也 編集/土屋 悟
『NHK趣味の園芸』テキスト大好評連載「今、熱い植物」アーカイブ
この記事は『趣味の園芸』2019年3月号「今、熱い植物」を編集、抜粋したものです。
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