カイガラムシ

善林六朗[園芸研究家]

初期症状
樹木の幹や枝などに、貝殻のような殻を被ったり、ロウ物質や粉状の物質で覆われたりして塊になり、動かない虫が寄生している。
進行したとき
枝や株が枯れ、カイガラムシの排せつ物にすす病が発生することもある。

カイガラムシとは?

 カイガラムシは、ほとんどの庭木、多くの果樹のほか、観葉植物、洋ラン、サボテンなどに寄生します。この虫は種類が非常に多く、種類によって体形や習性などが異なります。ふ化したばかりの幼虫は扁平な楕円形で、あしをもち移動しますが、成長にともない、種類に特有の体形や色などになります。雌の幼虫は成長するとあしが退化し、幹や枝などに一生固着するものが多いですが、固着後再びあしが生じて移動するもの、あしが退化せず一生動き回るものなどもあります。

▼どんな被害が起こる?

 寄生した植物の幹、枝、葉などの汁を吸うため、株の生育が悪くなり、被害が激しい場合は枝や株が枯れます。また、虫が出す排せつ物にすす病などが発生することも多く、庭木、観葉植物、洋ランなどの観賞価値も下がります。

▼よく見るカイガラムシ類

 代表的なものとして、貝殻のような殻をかぶっているヤノネカイガラムシやカタカイガラムシなど、ロウ物質で体が覆われたルビーロウムシやツノロウムシなど、体の表面が粉状の物質で覆われたコナカイガラムシなどがあります。

▼一般的な防除の方法

 植物を購入する際はカイガラムシがついていないものを選びます。枝が込んで通風が悪くなると多発しやすいので、剪定を適切に行います。冬に枝や幹についた虫は歯ブラシなどでこすり落とします。
 幼虫が少し大きくなると、体が殻やロウ物質で覆われ、薬液が浸透しにくくなって防除効果が低下します。そのため、適用のある薬剤がある植物で、薬剤で防除する場合は、幼虫のふ化直後の時期に薬液を散布することが肝要です。また、虫が休眠する冬に、植物の休眠期用の薬剤を幹や枝などに散布し、翌春からの発生を予防するのも有効です。

薬剤を使用する際は、その薬剤の使用条件が、対象植物、病気や害虫、防除したい方法と合っていることを、ラベルなどで確認してください。
タマカタカイガラムシ
貝殻のような殻に覆われ、ウメに固着しているタマカタカイガラムシ。
イセリアカイガラムシ
シャクヤクに寄生するイセリアカイガラムシ。
ツノロウムシ
ロウ物質で覆われ、サザンカに寄生しているツノロウムシ。
ナガオコナカイガラムシ
粉状物質で覆われ、あしが退化せず一生動き回るナガオコナカイガラムシ。

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