園芸・ガーデニング作業の基本 ~初心者のための基礎知識~

培養土とは? 園芸用土の種類と使い方

テーマ 土、肥料、鉢ほか
講師
園芸で利用される土を用土といい、正式には園芸用土と総じて呼ばれます。「培養土」とは、あらかじめ数種類の用土がブレンドされ、そのまますぐに使用できる製品のことです。培養土は各種用土から成り立っていて、その原料となる単体の用土にも、さまざまな種類があります。

市販の培養土を選ぶときの6つのチェックポイント

培養土は、さまざまな植物に利用できる汎用培養土(草花培養土)と、植物ごとに分けられた専用培養土(バラの土、野菜の土など)に大別できます。すぐに使えるので大変便利ですが、製品によって配合も品質もまちまちなので、よい商品を見極めることが大切です。

培養土 みんなの土

【ポイント1】肥料入り 植えつけ時に元肥を配合する手間と、植えつけから約3~4週間後までなら、追肥の手間が省けます。
【ポイント2】酸度 一般に植物は弱酸性の土を好むので、市販の培養土はpH6.0前後の弱酸性に調整されているものが多く見られます。
【ポイント3】品質表示 「家庭園芸肥料・用土協議会」に登録するメーカーの製品は、パッケージに適用植物名や原料名などの表示がされており、各メーカーが品質に対して責任をもっていると判断できます。
【ポイント4】重さ 植物の生育に適した土の重さは、1リットルにつき400~600g程度が理想的です。
【ポイント5】粒の様子 粒が極端に大きかったり、細かすぎるものは避けましょう。大きすぎると植え付け後に根のなじみが悪く、初期の生育が悪くなりがちです。また、細かすぎると、水はけが悪く、根腐れを起こしやすくなります。
【ポイント6】藻、カビ、水滴 緑色の藻が生えたり、水滴が多くついているものは、土の中の水分量が多く、夏にカビが生えやすいので避けたほうがよいでしょう。

用土の種類(基本用土)

基本用土とは、園芸用土のベースとなる土です。いずれも単用されることはなく、単体としての欠点を補う改良用土を加えて使用します。自分で用土を配合してオリジナルブレンドを作ることもできます。

赤玉土、鹿沼土

赤玉土(左) 関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けたもの。通気性、水はけ、水もち、保肥性に優れる。プランターや鉢には小粒か中粒が適する。
鹿沼土(右) 関東ローム層の赤土の下にある、軽石質の火山砂礫が風化した土。通気性、保水性に優れ、有機物をほとんど含まない酸性土なので、酸性の土を好むサツキの用土として普及している。

そのほか、黒土、川砂、田土、桐生砂、富士砂などがあります。

用土の種類(改良用土)

改良用土は、基本用土に混合して通気性、水はけ、水もち、保肥性を改良する用土のことで、有機物と無機物に大別できます。

<有機物の改良用土>
基本用土の通気性、水はけの向上に加え、土中の有効な微生物の働きを活発にし、土を肥沃にする働きがあります。さらに、土を柔らかくし、保水性を高めます。

赤玉土、鹿沼土

腐葉土(左) 広葉樹の落ち葉を腐熟させた、代表的な改良用土。通気性、水もち、保肥性に優れ、微量要素を含み、微生物を活性化して土質をよくする。購入時、完熟腐葉土を選ぶとよい。
ピートモス(右) 湿地の水ゴケ類などが堆積して泥炭化したもの。腐葉土とよく似た性質を持ち、均質でほぼ無菌なので使いやすく、室内園芸にも向く。使い方に応じて、購入時、酸度を確認するとよい。

そのほか、バーク堆肥、もみ殻くん炭、牛ふん堆肥、馬ふん堆肥などがあります。


<無機物の改良用土>
有機物の改良用土同様に、基本用土の通気性、水はけ、水もちを物理的に補います。ブレンドするときは、ベースとなる基本用土とよくなじんで混ざり、目詰まりしてしまわないように、できるだけ粒の大きさを揃えることが大切です。

赤玉土、鹿沼土

パーライト(左) 真珠岩を砕いて高温高圧で処理した、多孔質で非常に軽い人工砂礫。通気性、水はけにすぐれ、鉢土の軽量化に役立つが、水もち、保肥性はあまりよくない。バーミキュライトやピートモスと混ぜて鉢植えやハンギングに利用できる。
バーミキュライト(右) 蛭石(ひるいし)を高温処理し、膨張させたもの。層の間に水分や養分を蓄える。非常に軽く、水もち、保肥性、通気性に富み、無菌でほぼ均質。

そのほか、ゼオライト、珪酸塩白土、軽石、ボラ土(日向土)などがあります。

もっと詳しく知りたい方に

本ページの内容は、『すぐに使える!土・肥料・鉢』から一部を抜粋して紹介しています。用土についてさらに詳しく解説していますので、こちらをご参照ください。

肥料

『すぐに使える!土・肥料・鉢』NHK出版編

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