ランにハマって20年。清水柾孝さんが語るその魅力とは?<後編・会心の出来!3輪立ちのパフィオペディラム>趣味の園芸3月号こぼれ話
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。
今回は、3月号に掲載している「コチョウラン あるある症状を診断」を監修した清水柾孝さんが登場。前編ではランの魅力、育てる喜びを教えてくれました。後編はいよいよ、清水さんが育てているランたちを見せてもらうことに!
清水柾孝(以下、清):これが私のラン達です。どれも愛着ありますけど、お気に入りはパフィオペディラムです。
例えば、このパフィオペディラム・フェイリアナムとか、好きですね。
パフィオペディラム・フェイリアナム
編:なんというか、すごく複雑な姿をしていますね。
清:たまらない造形美です。ツヤや模様、そして丸いリップ。
パフィオペディラムは、一輪で完成する美しさを持っています。リップが丸いのもパフィオだけ。パフィオペディラムは通称「女王のスリッパ」と呼ばれています。
編:たしかにスリッパ! 一番好きなのは、フェイリアナムですか?
清:一番気に入っているのは、この子です。見てください。
編:これもパフィオペディラムですか?
清:パフィオペディラム・ミクランサムです。
編:リップがおもちみたいでかわいいですね。
清: 愛嬌がある花姿ですよね。いやぁ~、咲いたなぁ~!(嬉)
編:めったに咲かないのですか?
清:そういうわけではないのですが、こんなにきれいに3輪咲きそろったのは初めてです。世界らん展の出品に間に合ったのが嬉しくて。これからきれいに支柱を立てて、出品します。(注:取材は世界らん展の前週に行いました)
あっという間に支柱を立てる清水さん。ポイントは茎の色と留めるテープや結束タイの色をそろえて、なるべく自然に見せること。
編:ずばり、狙うは大賞ですか?
清:そう言いたいところですけど、こればっかりは何とも......。でも、間違いなくここ数年で一番の自信作です!
編:では、結果を楽しみに東京ドームへ向かいます!
――――この日の取材はここまで。後日、らん展の会場へ向かいました。
気になる結果は......
個別審査部門でブロンズメダル受賞!
清水さんは今回、ほかにもいくつかの株を出品していました。
そのなかの一株がなんと......
奨励賞、ブルーリボン賞、ブロンズメダル受賞、そして全体第4位に輝きました!
こちらは大賞と並ぶ中央のシンボルゾーンに展示され、たくさんの人が写真撮影をしていました。
さらにさらに、パフィオペディラム・ワーディーもホワイトリボンとシルバーメダルをダブル受賞。
清水さんに、結果を受けてのコメントをいただきました。
清:「今回は試行錯誤しながら、タイミング良く咲かせられました。皆さんに披露するだけでも十分でしたが、高い評価をいただけてとても嬉しい結果となりました!
咲いてくれたラン達に感謝しながら、来年に向けてより一層育てることに精進したいと思います。」
<終わり>
清水柾孝(しみず・まさたか)
ラン栽培家/全日本蘭協会に所属し、園芸資材メーカーに勤務。ランは1,000株ほどを栽培中。お気に入りのコチョウランは、小型の原種ファレノプシス・ロビー、交配種のʻ湘南桜'。
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「テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)
『趣味の園芸』2020年3月号
「コチョウラン あるある症状を診断」(p.44~)では、コチョウランのありがちなお悩み症状について、清水さんが診断。手当の方法を解説します。