コノフィツム栽培家・conoconoさんに聞く、コノフィツムの魅力。<後編・ブルゲリのタネをまいてみよう!>『趣味の園芸』12月号こぼれ話
ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。
今回は、12月号多肉植物特集で「ハマる人続出!コノフィツムワールド」の講師を務めた須藤浩さんが登場。前半では、「趣味の園芸」初登場となるconoconoさんご自身についてお話を聞きました。
後編では、コノフィツム界のアイドル・ブルゲリについて聞いていきます。conoconoさん流・タネまきのコツとは...。
編集部(以下、編):コノフィツムのなかで、ブルゲリはやはり特別な存在なのでしょうか?
co(以下、co):人気も知名度も抜群なので、別格と言っていいでしょう。コノフィツムは知らなくてもブルゲリだけは聞いたことがある、という人もいますよ。名前もなんだかブランドものっぽい響きでしょう(笑) 。
編:たしかに高級そうです(笑)。でも名前だけでなく、実際も手に入れるのが難しいのではないでしょうか?
co:一度手に入れて、うまく栽培できるようになれば増えていくんですけどね。大きくなった株を手に入れようとすると、どうしても希少になってきます。タネは流通していることも多いので、今日はタネから育てる方法をすこしお見せしましょう。
編:1cm弱ありますが、これがタネですか?
co:これはタネが入っている果実で、ブルゲリの頂部からとれるものです。これを小皿に入れて、スポイトなどで水をかけていくと...
編:開いてきました! どんどんタネが出てきています!
co:数え切れませんが、ひとつのカプセルから数百個はとれますね。私は7cm角のポットに60粒ずつくらいまいています。そして、発芽して1か月ほど経ったものがこちら。
編:すごい透明感! 小さいけれど、ブルゲリの特徴が感じられます!
co:大きくなったら植え替えていきます。 右から1か月、1歳、3歳、5歳、7歳です。
編:7歳になると、立派なブルゲリですね。発芽率はどのくらいなのでしょう。贅沢な悩みかもしれませんが、育っていくにつれなかなかの株数になっていく気が...。
co:まあ、そこまで簡単ではないので大丈夫です(笑)。60粒まいたなかで40発芽するとして、初心者でしたら1年後に10株残っていたら大成功なのではないでしょうか。失敗しても落ち込まないでください。
編:今回お聞きして印象的だったのは、コノフィツム属のなかでも種によってすこしずつ栽培方法が異なるところです。
co:そうなんです。コノフィツムは「冬型の多肉植物」として一緒くたに考えられがちなのですが、それに当てはめてしまうと、じつはブルゲリは失敗しやすいんです。だから必要以上に難しいと思われている。今回誌面で紹介したように、「中・大型種」「小型種」「有窓種」そして「ブルゲリ」の4タイプで考えると育てやすくなりますよ。ちなみに、どのタイプも秋から春までの生長期には必要かつ十分な水やりがポイントです。水をやらなすぎてダメにする初心者の方が多いように思います。
編:コノフィツムは意外と水が好きなのですね。気をつけます!
<終わり>
写真撮影:田中雅也
須藤 浩(すどう・ひろし)
コノフィツム栽培家/中学生のときに「趣味の園芸」の番組でコノフィツムを見て、ひと目惚れ。ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」ではconoconoさんの名前で「メセン(女仙)大好きコミュニティ」の管理人を務める。星薬科大学准教授。専門は薬用植物。
「テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)
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12月号の「ハマる人続出!コノフィツムワールド」では、conoconoさんがコノフィツムの多様な世界へご招待します。