ハーブにハマったきっかけや生活への取り入れ方を、ハーブ店店主に聞いてみた！～『趣味の園芸』4月号こぼれ話＜前編＞

ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。

今回は、4月号の特集「庭づくりにもっとハーブを」で、庭づくりについて教えてくれたハーブ店店主の伊能美緒さんに、ハーブに目覚めたきっかけや日ごろの楽しみ方を伺いました。

＊　＊　＊

編集部（以下、編）：ハーブとガーデニングのお店とお庭づくりを長年されている伊能さん。もともと、ハーブに目覚めたきっかけは何だったのでしょうか？

伊能（以下、伊）：留学のために園芸店で働いたことがきっかけです。

気づけばハーブコーナーの前でばかり働いていました。香りに癒され、育てるだけでなく収穫しても使える用途の幅広さで、好奇心尽きなく楽しいものでした。もともと好きなことにはとことんマメな性格なので、留学よりも園芸の道を志すことになりました。

20年以上も前のことで、そのころはハーブもまだ流通が少ないなかで、たまたま私がいたのはハーブを中心とした園芸店であったことも幸いでした。さし木して苗をふやしたり、ナーセリーを訪れて仕入れさせてもらったりと、すべてをまかせてくれる大らかなオーナーでしたので、自分たちが好きなハーブを積極的に取り入れ実践で学ぶ毎日でした。

また、私が切り盛りしていたお店はいくつかのテーマガーデンがあり植木屋の親方も出入りしていたので、一緒に庭についても学ばせていただき、休みも忘れてお庭の管理も毎日のことでした。

ガーデンづくりにもハーブを取り入れて。（撮影：田中雅也／国分寺市カフェスロー）

編：アルバイトのつもりだった園芸店での経験が、ハーブの道を歩むきっかけだったのですね。ハーブのよさを感じたのはどんなことからですか？

伊：忙しい毎日を送るなかで、ラベンダーに水をやる時間が大好きでした。それまでは都会の波にもまれて働いていたので、水を浴び風で香るラベンダーの香りに癒されるのを、日々心と体で実感していました。

ハーブを育て活用することは自分自身の心身がハーブで癒され、健やかに過ごせるとわかった体験でした。

編：たとえばどんなふうに活用していたのですか？

伊：日々の暮らしにハーブをとりいれたいと思うようになり、お茶や料理、美容に活用しはじめました。お茶や料理は手軽ですし、みなさん想像もできると思いますが、美容面ではハーブをオイルにつけて、石鹸を手作りしています。頭の先から足先まで全身使うので、お気に入りの香りのものを季節にあわせて作れるのが楽しいですね。畑でたくさん収穫できるスギナは、お酢に入れてリンスにして使っています。

ハーブをこれから始める方は、まずは美味しくハーブティーをいただいたり、石鹸など日常生活で活用できるものを見つけていくと、毎日がもっと楽しくなると思います。

編：幅広い使い道があるのがハーブの魅力ですね。

様々な葉姿や可憐な花もハーブの魅力。（写真提供：伊能美緒）

後編はこちら！

ハーブを使ったお庭の魅力やメンテナンスについて、ハーブ店店主に聞いてみた！～『趣味の園芸』4月号こぼれ話＜後編＞

伊能美緒（いのう・みお）

園芸店や造園会社、植物公園に勤務後、現在は東京都国分寺市でハーブをメインにした衣食住を培う植物店を営む。イベントや講習会のほか、小さな花壇から広い空間まで、個人邸やショップなどの庭づくりを手がける。ハーブを使った心地よい庭や手厚いメンテナンスに定評がある。

「テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています（毎月2回更新予定）

『趣味の園芸』2021年4月号（3/19発売）

風にそよぐ姿が可憐で小花が多いハーブは、庭をナチュラルな雰囲気にしてくれます。花を眺めたり、庭木として楽しんだり、料理用花壇をつくったり。ハーブを使った庭を数多く手がける伊能さんが、いろいろな楽しみ方を紹介してくれました。

4月号の内容はこちら