新年の始まりは「運命のラン探し」から~もっともっと身近に蘭を
12月21日に発売された『趣味の園芸』1月号では、ランを大特集していますが、冬は、ラン好きにとって楽しみな「らん展」の季節でもあります。
その一つ、新年最初に開催されるのが長い歴史を誇る全日本蘭協会洋らん展「サンシャインシティ 世界のらん展2022」。1月6日(木)から池袋サンシャインシティで行われ、愛好家が丹精した多彩なランが集結する会場は華やかさ満点です。
「ランの楽しみ方は様々ありますが、ランの面白さはなんといっても魅力あふれる花です。あの美しい花を咲かせたいと思うとランはやめられません。」
そう語るのは、テキスト1月号に登場したラン栽培家の清水柾孝さん。全日本蘭協会の理事でもあり、広報担当も務められています。清水さんにランの魅力、今回のらん展の見どころを教えていただきました。
前回第60回の会場風景。エキゾチックな花と香りで会場は南国そのもの(写真提供:全日本蘭協会)
私たちが一括りにするラン。実はランは野生の種類で2万8,000種を誇る大集団で、そのうえ品種改良も広く行われています。それだけにらん展会場では個性的な花に次々と遭遇でき、足を何度も止めてしまいます。清水さんが語る通り、魅惑の植物です。
さらに今回の全日本蘭協会洋らん展では、リカステという美しいランの特別企画も――。グアテマラ以南の中米、そしてコロンビア、エクアドル、ペルーといった南米太平洋側が自生地の着生ランで、大きく発達した側がく片が特徴的な花姿とともに、ピンクや白、イエローなど非常に優美な花色から「森の妖精」とも呼ばれています。
淡いピンク色の花が美しい、リカステ・モモ(撮影:清水柾孝)
この花が一躍脚光を浴びたのは、1999年の世界らん展。五島正さん(京都府)が出品したリカステ・ショールへブン 'キョウト' がグランプリの日本大賞に輝きました。以来20年間、品種改良が重ねられ、育てやすいランとして世界中の園芸ファンに愛されています。
リカステ・ショールヘブン。'キョウト'はこの種から改良された(撮影:今井秀治)
今回のらん展では、リカステの世界では知らない人はいない五島さんを招き、世界中に知れ渡る「リカステ京都シリーズ」の貴重なお話をうかがう特別講演も予定されています。
「五島さんがなぜリカステに奮起したのか、日本のリカステの発展に欠かせないショールヘブンなどのお話しを講演いただきます。関東でお話をお伺いできる機会は滅多にありません。どんなお話を聞かせていただけるのか、今からワクワクしています。」と清水さん。
また、会場には販売コーナーも。銘品・希少品だけでなく、初心者向けのランをはじめ、様々な観賞植物のお店が多種多様な品揃えで来場者を迎えます。これからランをはじめてみたい、という方にも絶好のチャンス。約40店舗が出展する、関東では大規模な展示即売会となります。
テキスト1月号で清水さんは「自分のライフスタイルに合うランが必ずあります」と語ってくれました。「もっともっと身近に蘭を」をテーマに掲げた今回のらん展、新年の始まりに「運命のラン探し」はいかがでしょうか。
前回の2021年洋らん展の会場エントランス ※感染対策があります(写真提供:全日本蘭協会)
◆サンシャインシティ 世界のらん展2022(第61回全日本蘭協会洋らん展)~もっともっと身近に蘭を~
開催期間/2022年1月6日(木)~1月10日(月)10:00~18:00(最終日は15:00)
会場/池袋サンシャインシティ文化会館ビル2F展示ホールD
入場無料
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【不定期連載】 園芸LOVE 原田が行く
「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』シニアエディター・原田による園芸エッセイです。
★『趣味の園芸』テキスト2022年1月号「はじめてさんでも大丈夫!ラン」