決定!日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2021 鉢物部門はゴージャスなアジサイ
園芸界恒例の「日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2021」の受賞花が、12月15日、ジャパンフラワーセレクション実行協議会から発表されました。
日本フラワー・オブ・ザ・イヤーでは《鉢物》《ガーデニング》《切花》の3部門について審査を行い、業界推奨花としてジャパンフラワーセレクション(JFS)137品種をピックアップ、そのなかからさらに審査を重ねて、最優秀賞花が選ばれました。
今回の審査員は19名、「趣味の園芸」でおなじみの長岡求さん、杉井志織さん、山口まりさん、渡辺均さんなども審査にあたりました。また5月に開催された春の審査会は、横浜市役所で行われた「ローズフェア with 趣味の園芸」の会場での同時開催となり、審査後の切花・鉢物約100品種が、一般来場者にも公開されました。
それでは、栄えある「日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2021」に輝いた、3部門の最優秀賞花を紹介します!
《鉢物部門》最優秀賞
アジサイ「月虹(げっこう)」2色(福岡・久留米花卉園芸農業協同組合)
鉢物部門の最優秀賞、フラワー・オブ・ザ・イヤー2021には、園芸どころの久留米花卉園芸農業協同組合からの出品、アジサイ「月虹」が輝きました。
目を引くのは個性的な覆輪の装飾花ですが、咲き進むにつれてがく型から徐々に手まり型へと展開し、長期間観賞できる点が評価されました。とりわけ青い花はグリーンから白そしてブルーというグラデーションは高い評価を得ました。
《ガーデニング部門》最優秀賞(2品種)
ガーデニング部門は、花の栽培経過観察と審査会が千葉大学環境健康フィールド科学センターで行われ、最優秀賞花、フラワー・オブ・ザ・イヤーには今回、2品種の選出となりました。
ジギタリス「パンサー」(京都・タキイ種苗)
ガーデニング部門の最優秀賞花、フラワー・オブ・ザ・イヤーの一つは、今回、2品種の選出となりました。一つはタキイ種苗出品のジギタリス「パンサー」。草丈が40~50cmほどの矮性で、きれいなピンク色の花にブロッチ(斑点)が入るジギタリスです。
「パンサー」は春の定植後、夏にやや花数が減るものの、秋に再度、開花数が増えるなど、安定した連続開花性が高い評価を集めました。支柱を添えずに管理ができる点も、ガーデニング用の花として注目されました。
ペラルゴニウム「レッドエクスプロージョン」(山梨・エム・アンド・ビー・フローラ)
もう一つの最優秀賞花は、ペラルゴニウム「レッドエクスプロージョン」。濃赤色の花が目を引き付ける種間交雑種のゼラニウムです。切り戻さなくてもコンパクトにまとまり、耐暑性にも優れ、夏場も高温障害を見ることなく連続開花した点などが高く評価されました。
《切花部門》最優秀賞
トルコギキョウ「チアライトピンク」(山梨・ミヨシ)
切花部門では、フリンジ咲きのトルコギキョウ「チアライトピンク」が最優秀賞を受賞。丸みを帯びた花弁にフリンジが入り、開花した花形とライトピンクの発色が美しい花です。開いた際も、花弁と花弁の絶妙なスペースによって重すぎず軽やか。非常にバランスよく考えられた品種です。
人気投票の注目花
日本フラワー・オブ・ザ・イヤーの審査会場では、今回、市場関係者による人気投票も行われ、その結果も今回あわせて発表されました。花のプロの注目を集めた2021年の品種は!? 《鉢物部門》《切花部門》の人気投票1位に輝いた、3品種を紹介します。
《鉢物部門》シクラメン「チモ ローゼス ライトピンク」(福島・矢祭園芸)
つぼみのグリーンとピンクの花のコントラストが印象的なシクラメン。グリーンからピンクへの色の変化は珍しいという。金平糖のようなかわいらしい蕾からくす玉のように変化した花は、咲ききるまでの観賞期間が長く、形と色の変化に多くの楽しみがある。
《切花部門》トルコギキョウ「アンバーダブル®(2型)ショコラ」(神奈川・サカタのタネ)
琥珀を思わせるようなシックな色みの「アンバー」シリーズの新色。チョコレートを思わせる個性的なブラウンカラーのグラデーションが人気を集めた。
《切花部門》オキシペタルム「オルキブルー」(群馬・カネコ種苗)。
カネコ種苗から販売されている既存品種のオキシペタルム「シェーンブルー」より、さらに濃くなったブルーの発色が特長。高温期でもブルーの発色がよく、退色しにくい点が高評価だった。
また、2022年1月28日(金)~30日(日)、池袋サンシャインシティで開催される「第70回 関東東海花の展覧会」で、ジャパンフラワーセレクション2020と2021の特別賞受賞品種と入賞品種、その他関連品種の特別展示が行われる予定です。
全受賞品種リストと受賞品種解説は、ジャパンフラワーセレクションのホームページでも見ることができます。
(写真提供:ジャパンフラワーセレクション実行協議会事務局)
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【不定期連載】 園芸LOVE 原田が行く
「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』シニアエディター・原田による園芸エッセイです。