着生ランがおもしろいぞ!!~「冬のらん展&ボタニカルフェア2022」から
着生ランとは樹木などに根がくっついて生きているランですが、その着生ランがこのところ注目を集めています。その理由は、着生ランをコルク片や小さな流木などにくっつけ、壁面に吊るすことで、花が咲いたり根が伸びたりする生きざまだったり、プクプクしたバルブをもった株姿だったりを間近で楽しめるからです。
ひと昔前、ランといえば、「1か月、豪華な花を楽しんだら、残り11か月は葉ばかり」とよくいわれました。それでも、愛好家はその美しい花を楽しみにランを育て続けていたものでした。それが今日、「1か月、きれいな花を楽しんだら、残り11か月は観葉植物として楽しめる植物」としてランが再評価されているのです。
『趣味の園芸』2022年1月号で紹介した、着生ランのコルクづけ。(撮影:田中雅也)
らん展の会場に足を運ぶと、20~30歳代の園芸ファンが展示されたランを見て、「カッコいい!」あるいは「カワイイ!」という声を上げている姿を見かけます。おうち園芸という言葉をよく耳にしますが、観葉植物や多肉植物などのようにユニークな雰囲気をもつを手もとに置いて観賞できる植物として、ランも認知されているのかもしれません。
さて、「冬のらん展&ボタニカルフェア2022」が、2月17日から池袋のサンシャインシティで開催されます。洋ランや東洋ラン、食虫植物など園芸業界の有志が核となり、業界の垣根を越えてプロデュースされた展示会です。この時期ならではのシンビジウム、デンドロビウム、カトレア、パフィオペディラムといった華やかなランが会場に並びます。加えて、食虫植物やシダ植物、観葉植物など、近年、話題の植物も展示、販売されるイベントです。
かつてエキゾチックな花が衆目を集めたラン。着生ラン人気は、目のつけどころを変えるとランには魅力がまだまだたくさん潜んでいる、ということを物語る事例なのかもしれません。このラン展でおうち園芸を楽しむ手がかりを探してはいかがでしょうか。
◆冬のらん展&ボタニカルフェア2022
開催期間/2022年2月17日(木)~2月20日(日)
会場/東京・池袋 サンシャインシティ 文化会館ビル2階
イベントリーフレット
タケノコを思わせる姿で人気のラン、モニエララ。黒い花も面白い
袋状の姿から人気の食虫植物、ネペンテス
(取材&写真協力:日本洋蘭農業協同組合)
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【不定期連載】 園芸LOVE 原田が行く
「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』シニアエディター・原田による園芸エッセイです。