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土の話を掘り下げる〈教えて、矢澤さん!園芸ビギナーの土に関する素朴な疑問〉【趣味の園芸4月号こぼれ話・前編】

土の話を掘り下げる〈教えて、矢澤さん!園芸ビギナーの土に関する素朴な疑問〉【趣味の園芸4月号こぼれ話・前編】

ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」だけで読める連載「テキストこぼれ話」。『趣味の園芸』テキストの特集内容に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をお届けします。

 

今回は、4月号の「ようこそ!花のある暮らし」特集でビギナーにもおすすめの花を教えてくれた矢澤秀成さんが登場。4月号の取材中、じつは土へのこだわりを語ってくれていたのですが、残念ながら誌面では紹介しきれませんでした。「こぼれ話」で思う存分語っていただきましょう。

 

前編では、園芸を始めて約半年のビギナー編集部員が、土に関する素朴な疑問を矢澤さんにぶつけました。

 

矢澤秀成(以下、矢):土の話ってなかなか紹介してもらえないんだよね......。

 

編集部(以下、編):今日はいろいろ教えてください! 矢澤さんの土へのこだわりを伺う前に、じつは前から疑問に思っていたことがあるんです。園芸関連の本を見ていると「水はけと水もちがよい土で植えつけ」と書いてあることがあります。水はけと水もちのよさって両立するんでしょうか。

 

矢:両立するよ。団粒構造の土だと、水はけも水もちもよくなる。団粒構造っていうのは、土の粒子が何個か集まって大きな粒をつくって、その粒と粒の間に適度なすき間ができている、すごくよい状態をいうんだけど、ちょっとイメージしづらいよね。

もっと簡単に「水はけも水もちもよい土」の仕組みを説明してみよう。

「水はけも水もちもよい土」には赤玉土や鹿沼土が使われていることが多いと思うんだけど、この二つを思い浮かべてみて。サラサラの砂じゃなくてゴロゴロした塊だよね? この塊が重要。まず塊が混ざっていると、土の中に空間ができて通気性と水はけがよくなるのは説明不要だよね。

それだけじゃなくて、この塊は一つ一つが水分を貯えることができるんだ。これで保水性がよくなる。さらに水に溶けだした肥料分も貯えるから保肥性もよくなる。これならイメージしやすいんじゃないかな。

 

編:なるほど! よくわかりました!

 

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↑乾いた赤玉土(左)と湿った赤玉土(右)。湿らせた赤玉土を指で砕くと、内部に水分を貯えているのがわかる。

 

矢:塊がポイントだから、赤玉土や鹿沼土を買う時は袋越しに中身をよく見て、塊がつぶれていないものを選んでね。長い間店頭に置かれていて、つぶれてしまっている場合があるから気をつけて。少し高いけど、硬質赤玉土はつぶれにくくて長もちするからおすすめだよ。

 

編:今度から気をつけて見てみます。もう一つ教えてください! 培養土についてです。園芸店に行くと、ものすごくたくさんの培養土が並んでいて、いつも迷います。最後には「どれもそんなに変わらないだろう」と無理やり迷いを断ち切って買って帰るのですが、実際のところ、培養土の中身ってものによってどのくらい違うものなのでしょうか。

 

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↑園芸店の土売り場。いろいろな商品が並ぶ。(撮影:田中雅也)

 

矢:全然違うよ。じつは、昔各メーカーのバラ用培養土を試験してみたことがあるんだけど、水はけや水もち、混ぜ込んでいる肥料なんかも本当にそれぞれだったね。目指しているバラが少しずつ違うから、それによって当然培養土の成分も変わってくるよね。

同じバラ用でもこれだけ違うんだから、普通の培養土ももちろん違う。全然違うんだけど、どのメーカーも基本的にはより良い土にするために考えてつくっているから、どれを選んでみても悪いようにはならないはず。だから、育てたい植物に合わせて、普通の培養土でも植物ごとの培養土でも、思い切って買って試してみるといいよ。

ただ、赤玉土と一緒で、買う時にはしっかりと中身を確認しなきゃダメ。買う時に状態を見るのは苗と一緒だね。

培養土の袋って花の写真とかがあってきれいでしょ? 最近はパッケージの写真が大きくて中身が見づらいものも多いけど、透明な部分を探して中身を確認してみて。個人的には、中身がよく見える袋だと「自信があるんだな」と思うね(笑)。

 

編:なるほど(笑)。でも、私みたいな初心者は中身を見ても、違いがわからないです。

 

矢:まずは裏面の表示を見てみるといいよ。何を混ぜたのか大体書いてあるから、それを確認した上で袋ごしに中身を見てみる。きっと少しずつわかるようになってくるよ。あとどれを買ったのか忘れないように、捨てる前に袋の写真を撮っておくのも大事だね。

「良い土」がわかってくれば、当然植物を育てるのは上手くなるし、土に詳しいのって通っぽくてかっこいいでしょ?

 

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↑ガーベラの花。土を学んで、よりきれいな花を。(撮影:田中雅也)

 

編:たしかにかっこいいです(笑)。いろいろな培養土を試して、少しずつ勉強していきます! 次は矢澤さんこだわりの土について教えてください。

 

後編に続く!

 

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テキストこぼれ話」では、『趣味の園芸』テキストの特集に関連して、担当編集者による講師へのインタビューなどをウェブ限定で公開しています(毎月2回更新予定)

 

『趣味の園芸』2022年4月号(3/19発売)

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「今まで、園芸には無縁だったけどこの春からは、ぜひ何か1つ花を育ててみたい!」そんな園芸ビギナーさんにも自信をもっておすすめできるのがガーベラです。矢澤秀成さんが、はじめてでも失敗なくできる育て方をレクチャーします。ガーベラをお手本に基本をマスターすればどんなお花でも育てられるようになりますよ!

 

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4月号の内容はこちら

 

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