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一般流通される青いコチョウラン「ブルージーン」が「世界らん展」で初お披露目!

一般流通される青いコチョウラン「ブルージーン」が「世界らん展」で初お披露目!
遺伝子組み換え技術で作出された青いコチョウラン。

古今東西、「青い」花色を作出するのは至難の技といわれている植物があります。自然界ではバラやキク、カーネーションにも「青い」花色は存在しないといわれ、その作出は古くから園芸家たちの垂涎のまとであり、研究の対象となってきました。

そのようななかで、今年で32回目の開催となった国内最大級のランの祭典「世界らん展2022 -花と緑の祭典-」(3月30日で終了)に、青いコチョウラン「Blue Gene(ブルージーン)」が登場しました。出展したのは化学メーカーの石原産業(大阪府大阪市)。

今年6月に流通され、一般でも買うことができる予定という青いコチョウランについて、石原産業中央研究所生物科学研究室の湯木俊次さんにお話を伺ってみました。

 

――いつから、どうして青いコチョウランを作出しようと思ったの?

2005年にこれまでになかった青いコチョウランをつくりたい! との思いから始めました。それから15年以上にわたり、研究開発を重ね、最新のバイオ技術と情熱の結晶としてついに夢を実現したという感じですね。もちろんこれまでも青いコチョウランがまったくなかったわけではありません。研究段階では親に青みがかったコチョウランを持つ選抜個体があるとも聞きますし、染料を使った青いコチョウランはすでに市販されています。ですが、遺伝子組み換えによるものは初めてではないでしょうか?

 

――遺伝子組み換えって具体的にどうやったの?

コチョウランはもともと青色色素をつくる遺伝子を持たない植物です。当社の中央研究所がある滋賀県草津市では、古くからツユクサの一種である「アオバナ」が栽培されており、市の花にもなっています。千葉大学・三位先生との共同研究により、このツユクサの青色遺伝子を遺伝子組み換えによってコチョウランに導入し成功しました。そしてさらに開花するまで4年をかけたのが今回お披露目となった青いコチョウランです。もちろん遺伝子組み換え植物なので、多くの試験や調査を実施し、国内の生物多様性への影響がないことを実証し、国の承認を得ました。

 

ブルージーン_青いコチョウラン02r.jpg

左は青色遺伝子を導入したコチョウラン、右は導入する前のコチョウラン「ウエディング・プロムナード」(Phalaenopsis Wedding Promenade)。

 

――既存との違い、そしてあえて難点をいうと?

染料でつくられた青いコチョウランとはまったく異なり、新たに開花しても青い色は失われることはありません。「色あせない価値」を持つ、世界初かつ唯一無二のコチョウランであり、特別な贈り物になり得ると思っています。ただししいていえば、すでに研究を重ねつくした白色の株に比べ、ボリューム感はまだあまりありません。ですがそれを凌駕する存在感のある一鉢だと自負しています。

 

ブルージーン_青いコチョウラン04.jpg

 

贈答品としてはもちろん、開花期が長いことでも知られるコチョウラン。町で家で、青いコチョウランを見かけるようになるのも、そんな遠いことではないのかもしれません。

 

取材協力:石原産業
青色コチョウラン Blue Gene(ブルージーン)

 

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