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満開の美を夢見て~連載「イーサゴの庭仕事」第12回(2023年3月号)最終回

満開の美を夢見て~連載「イーサゴの庭仕事」第12回(2023年3月号)最終回

北国から毎月お届けするテキスト連載「岩手の四季をつむぐ イーサゴの庭仕事」

岩手県花巻市内に位置するイーサゴ ナーセリー&ガーデン。早池峰山(はやちねさん)を望むのどかな田園風景の中、営むのは、及川洋磨さん・真由美さんご夫妻。自作のクレマチスや、寒冷地向きの植物とともに、北国の厳しくも美しいナチュラルガーデンの1年をお送りします。

3月号掲載、第12回の内容をご紹介!

 

第12回「満開の美を夢見て」〈最終回〉

 

続く、未知なるクレマチスの育種 イーサゴへの思い

たくさんのすばらしい品種がすでに存在するクレマチスの世界で、さらなる品種改良により、新品種をつくり続ける意味は何なのか。そこには、よりよい性質のため、より多くの園芸ファンに購入してもらうため、さまざまな理由があるでしょう。けれど、自分が一番しっくりくるのは、まだ出会ったことのない、新しい可能性に出会うため。その可能性のなかには、これから新たにクレマチスを好きになる人との出会いも含まれています。既存品種では表現できなかった、ある品種の些細な特性や魅力がきっかけでクレマチスを好きになってくれる人がいるならば、そのためだけにでも育種を続け、未知なる可能性を広げていく意味はあると思います。
それは新品種に限った話ではありません。見飽きるほど育ててきた古い品種が、ある年、突然、新しく見え、今まで気づかなかった新しい可能性を発見し、出会い直す瞬間もあります。組み合わせた植物との関係、大株になったときの咲き姿、剪定などの育て方を変えたからなのか......そんな、自分が感じた新たな発見や出会い方を、ほかの人にも発信しなければと駆り立てられます。

(「洋磨さんのガーデン便り」より)

 

岩手の四季とともに庭を営み、植物と生きる

3月の声を聞くと、日の光は力強さを増し、一気に雪解けが進みます。地温も上がり、雪が降ったとしてもすぐに解けるようになります。雪が解けて地面が露わになると、ノネズミの掘った穴があちこちで見つかったり、雪の重みで曲がった枝を発見したり、あっちもこっちも気になることだらけ。急に庭仕事が慌ただしくなります。寒さもゆるみ、外へ出るのが心地よくなってきたのを合図に、バラやクレマチスの剪定、グラス類の刈り込み、冬囲い外し、と次々に作業をこなしていきます。冬の寒さが厳しい岩手では、バラは軽く枝を切り詰める程度で冬越しさせ、本剪定は3月上旬が目安。寒さで傷んだ枝を見極めて取り除き、ぷっくりと赤くふくらんだ花芽の位置を確認しながら剪定します。
一方、ハウス内ではひと足先にクレマチスがぐんぐんと新芽を伸ばし始めます。暖かい春の日ざしの中で上へ上へと伸びる様子は、生命のエネルギーに満ちていてまぶしいほど。静けさに包まれた長く厳しい冬から、植物が一斉に目覚める早春への移り変わりは、北国ならではの喜びに満ちあふれています。

(「真由美さんの庭仕事便り」より)

 

テキストで、ガーデンの美しい風景をたっぷりとお楽しみください。

 

★この号に掲載されています おかげさまで通巻600号!

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『趣味の園芸』2023年3月号

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園芸研究家 及川洋磨(おいかわ・ようま)
及川フラグリーンにてクレマチスの新品種の開発と苗の生産に従事。クレマチスの魅力と可能性を発信するためイーサゴ ナーセリー&ガーデンを立ち上げ、ナーセリーを担当。

 

ランドスケープデザイナー 及川真由美(おいかわ・まゆみ)
ランドスケープ設計事務所所での勤務を経て、及川フラグリーンへ。以来、圃場内の庭の計画と手入れの実務を担当している。イーサゴ ナーセリー&ガーデンではガーデンを担当。

 

※ショップおよびガーデンは期間限定でのオープンとなります。詳しくはHPをご覧ください。

 

★テキスト連載「イーサゴの庭仕事」

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