「宿根草のナチュラルガーデンってどんな庭ですか？」宿根草の人気店店長・荻原さんに教えていただきました！

（撮影：田中雅也）

宿根草のナチュラルガーデンってご存じですか？ 気軽に庭を楽しみたいという人におすすめで、この春から園芸を始める方々にもぴったり！

「そもそも宿根草って何？」「初めてでも大丈夫？」そんなギモンにお答えするため、全国の植物ファンから絶大な信頼を寄せられる人気宿根草店「おぎはら植物園」の店長・荻原範雄（おぎはら・のりお）さんに、わかりやすく教えていただきました。

2023年3月16日に発売された荻原さんの著書『おぎはら流　がんばらなくても幸せな庭　宿根草のナチュラルガーデン』。荻原さんが厳選したナチュラルガーデン向きのいま育てたい宿根草ほか346種の植物と、日陰・酷暑・狭いなど植え場所の悩みに応じた植物選びを紹介。

宿根草って？

とても丈夫で長生きの植物

宿根草は、冬を越して毎年花を咲かせる植物。園芸上の慣用語で植物学的には多年草といいます。芽を出してから枯れるまでを1年ほどで終える一年草とは異なり、一度植えれば何年も花が楽しめ、とても長生きです。

一年草に比べると開花期間が短い種類が多いのですが、そのぶん四季が強く感じられ、庭に居ながらにして季節の移り変わりを楽しめます。また、野生の雰囲気を残す宿根草が多いのも魅力。そんな宿根草を育てると、小さな自然に触れる喜びを味わえるでしょう。

ナチュラルガーデンって？

好きな植物で楽しむ、自然な雰囲気の庭です

庭に植物を植えるとき、主役を決めて、合わせる草花の花色を考えて......と、デザインや配色を念入りに考えなければいけないと思いがちです。　

荻原さんが考えるナチュラルガーデンは、じつにシンプル。主役になる花は決めず、たくさんの種類の植物を植えて、自然な雰囲気を楽しむ庭です。しかも選ぶ植物は自分が好きなものでOK！ とっても自由で気軽な庭づくりです。あえて形を決めていないので、メンテナンスが手軽なのもうれしいポイントです。

ビギナーでもできる？

初めての人にこそおすすめです

初心者の方にはなじみがない言葉なので、「宿根草」と聞くと気難しい植物と思われることがありますが、宿根草は育てやすくとても丈夫な植物。手間がかからない種類が多いので忙しい人にもおすすめです。　

最近は「毎年植えなくても育って、世話が簡単なものはありますか？」というリクエストをされる人も多いそうです。　

宿根草は基本的に一度植えたらほったらかしでOK。宿根草のナチュラルガーデンならラクして園芸を楽しめます。

何から始めればいい？

好きな宿根草1つを植えましょう

まずはお近くの園芸店へ行って、気に入った宿根草を1つ選んで植えてみてください。1つ植えると、ここにも！ あそこにも！ と次々に植えてみたくなるはず。そうやって、少しずつ種類をふやしていきましょう。　

もしかすると途中で枯れてしまうものもあるかもしれません。がっかりしないで種類を替えて植え続けましょう。失敗を繰り返しながら、さまざまな種類を植えていくうちに自分の庭に合う植物が集まり、オンリーワンの心地よい庭になっていきます。

狭くて、日陰でも大丈夫？　

どんな庭でも楽しめます

宿根草にはコンパクトに育つ種類があります。なので玄関先の小さなスペースはもちろん、ベランダでも大きめのコンテナを使えば、ナチュラルガーデン気分を楽しめます。　

また、多少の日陰にも耐えられるもの、乾燥気味ややせ地などでも育つものも。宿根草は多くの種類があるので、庭の環境に合う種類を選べば、どんな庭でもナチュラルガーデンを満喫できます。うちの庭は何を植えても育たない......と、あきらめずにチャレンジしてください。

少しくらい日陰でも大丈夫！ ギボウシやブルネラ、テンニンソウ、キョウカノコなど、日陰でも育つ宿根草はたくさんある。（撮影：田中雅也）

＊本記事は、『趣味の園芸』2023年4月号に収載された内容を再構成したものです。

おぎはら植物園店長　荻原範雄（おぎはら・のりお）

長野県上田市で宿根草と山野草を扱う植物専門店「おぎはら植物園」を営む。扱う宿根草と山野草は4000種を超え、全国の生産者とネットワークを持ち、海外から新品種の導入も積極的に行う。近著に『決定版カラーリーフ図鑑』（講談社）など。

宿根草のナチュラルガーデンのこと、もっと知りたくなってきたら

NHK趣味の園芸 おぎはら流 がんばらなくても幸せな庭 宿根草のナチュラルガーデン

内容紹介はこちら >>

著者：荻原範雄／定価：1,870円（本体1,700円+税10%）／AB判並製／128ページ（オールカラー）
2023年3月16日発売
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