みはらしの丘のネモフィラを、2倍、3倍楽しむコツを聞いてみた!〈おすすめお土産情報、おうちで育てるコツ〉【趣味の園芸4月号こぼれ話・後編】
『趣味の園芸』2023年4月号「見に行こう! 小花のカーペット ネモフィラ」で紹介した、国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)、みはらしの丘のネモフィラの景色。こぼれ話前編では、みはらしの丘の歴史やおすすめ撮影スポットについて伺いました。
後編では、引き続き公園管理センターで広報を担当する渡邊万里映さんに、ひたち海浜公園おすすめお土産情報や、おうちで育てる際のアドバイスをいただきました。
スイーツやグッズも要チェック
編集部(以下、編):前編では、みはらしの丘の歴史や、おすすめ撮影スポットについてお伺いしました。
さて、せっかくひたち海浜公園に行ったので、楽しい思い出になるようなものも買って帰ろう、といろいろ見てみましたが、ネモフィラの名所ならではのお土産がたくさんありますね。なかでもカステラやハーブティー、カレーなど、青色の食べ物にはびっくりです。
ひたち海浜公園企画運営課 広報係 渡邊さん(以下、渡):ハーブティーとカステラのブルーの色はハーブの「バタフライピー」を使って出しています。青いカクテルなどの色付けにも使われるもので、味にクセはないので、安心してお召し上がりいただけます。
①ネモフィラカステラ
②ネモフィラブルーティー
③ネモフィラブルーソフト
④児玉冷菓のババヘラアイス「ネモフィラ」。上から見ると、ネモフィラの花のよう!
⑤ネモフィラカレー
(写真提供:国営ひたち海浜公園)
編:そうなのですね。私は園内を歩いて暑かったので、「ババへラアイス」をいただいて、ことのほかおいしく感じました! ほかの食べ物も試してみたいです。
また、飲食以外に、ネックレスやコースターなど、ネモフィラを使ったグッズも気になりました。
渡:これらのグッズには、みはらしの丘で育てた本物のネモフィラのお花を使っています。まさにこの景色をそのまま閉じ込めたようなグッズなので、ぜひお気に入りの表情のものを見つけてほしいです。
みはらしの丘のネモフィラを閉じ込めた、キャリーチャーム(左)やコースター(中央)、マグネット(右)。旅の記念にぴったり!(写真提供:国営ひたち海浜公園)
ネモフィラを育てるコツ
編:ところで、ひたち海浜公園でネモフィラの素晴らしい景色を見たら、おうちでも育ててみたくなりました。ネモフィラ、育てるのは難しいでしょうか?
色もかたちも愛らしい! みはらしの丘を覆うネモフィラ・インシグニスブルー(撮影:田中雅也)
渡:いえいえ、園芸の世界でいうと比較的手間もかからず、簡単に育てることのできる植物なので、気楽に育ててみてください。ネモフィラは秋にタネをまく植物なので、いまの時期なら苗を買ってきて植えつけるといいですよ。
編:いますぐ楽しむなら苗なのですね。秋になったら、ひたち海浜公園のようにタネまきにチャレンジしたい気もします。タネから育てるにあたって気を付けることはありますか?
渡:植物の種全般に言えることですが、水分が無いと発芽しません。また、土中の水分で発根しても、水不足になると枯れてしまいます。地植えでもタネまき後、しばらく雨が降らないようでしたら、水やりをしっかり行ってください。
また、冬を越すにあたって、霜や低温から守ってやる必要があります。当公園では、防寒用の不織布(霜除けシート)を敷設することで、霜や低温から守っています。
ひたち海浜公園では、秋になると地面に20cm間隔の線を引き、そこに沿って種まき。美しく密な植栽は、この技があってこそ。(写真提供:国営ひたち海浜公園)
寒さから守るため、発芽したネモフィラを2月上旬までシートで覆う。(写真提供:国営ひたち海浜公園)
編:この広大な敷地で、そんな手間暇をかけて育てているなんて......。
渡:発芽までは少し気を使って目配りしています。発芽したあとは、肥料が多すぎると葉ばかり茂ってしまい、蒸れやすくなるので、肥料は与えないか、ほんの少しだけ与える程度で大丈夫ですよ。
編:手をかけすぎて水や肥料をやりすぎてダメにしないよう、芽が出たら放任くらいがちょうどよいかもしれませんね。あのかわいらしい水色の花を、ぜひ自宅で咲かせてみたいです。
それから、園内で水色ではないネモフィラも見かけました。あんな種類もあるのですね。水色のネモフィラとはイメージが違いますが、あちらもかわいいです!
公園内の施設入り口の鉢に植えられた、ネモフィラ・スノーストーム(下)とネモフィラ・ペニーブラック(上)。(※2022年撮影。今年はペニーブラックの植栽はありません 撮影:田中雅也)
花弁の周囲に青紫の斑点が入る、ネモフィラ・マクラータ(ファイブスポット)。
※ネモフィラ・インシグニスブルーの苗やタネ、マクラータのタネは、時期により数日、園内の売店でも販売されています。運がよければ入手可能かも!(撮影:田中雅也)
渡:みはらしの丘の水色のネモフィラは「インシグニスブルー」といいますが、ほかにもテラスハウス近くの花壇で「インシグニスブルー」と「スノーストーム」を、たまごの森では「インシグニスブルー」に「スノーストーム」、「マクラータ」も植えています。
インシグニスブルーと比べて花は小ぶりとなりますが、花の色(黒)や花びらに入るスポット(斑点)が可愛らしく、小さな寄せ植えにしても存在感を出すことができます。
編:育て方は水色のインシグニスブルーと同じですか?
渡:インシグニスブルーは唐草模様のかたちをした繊細な葉をもちますが、ペニーブラック、ファイブスポットの葉は比較的厚みと幅があり、大きく広がらず密に育ちます。蒸れやすいので乾かし気味に育てるといいですよ。
編:ネモフィラだけでもいろんな表情が楽しめますね。まずはこの春は苗で、秋にはタネまきで、チャレンジしてみます。いろいろ教えていただいて、ありがとうございました。
▼前編から読む
【参考】2023年のネモフィラ開花予想 - 国営ひたち海浜公園 (hitachikaihin.jp)
国営ひたち海浜公園 所在地/茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4
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渡邊 万里映(わたなべ まりえ)
国営ひたち海浜公園の公園管理センターで、企画運営課広報係を担当。係内で分担しながら、取材対応やSNS発信、季刊誌の「そよかぜ通信」の制作等を行っている。
(写真提供:国営ひたち海浜公園)
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4月号では、ネモフィラを上手に育てるコツや、きれいに敷き詰めるポイントを紹介しています。
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