【2024改訂】農薬ローテーション参考③｜園芸日記by鉢植え100%｜みんなの趣味の園芸

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≪殺菌剤≫

【ＦＲＡＣコード11】ＱｏＩ殺菌剤(Ｑｏ害剤)
ストロビルリン系とも。ユビキノール酸化酵素 Qo部位…ミトコンドリアによる呼吸経路が遮断され、エネルギーが生産できなくなり、病原菌が死にます。

もともと食用キノコから発見された天然生理活性物質（ストロビルリンA）に由来し、うどんこ病、べと病、黒星病、黒斑病、炭そ病といった様々な病原菌に対して効果があり、作物に侵入する前の病原菌に効果を発揮する「予防効果」、既に侵入した病原菌に対しても効果を発揮する「治療効果」を両立しているため非常に使い勝手が良い薬剤と言える。
ただし、耐性菌リスクは高だ。

●ストロビー(クレソキシムメチル)
●アミスター (アゾキシストロビン )
●ファンタジスタ(ピリベンカルブ)
●スクレア(マンデストロビン)

「ストロビー」「アミスター」が従来型(※)、「ファンタジスタ」「スクレア」が比較的近年開発された新型(※)になる。同じＱｏＩ剤ではあるが特性が異なり、従来型に耐性があっても新型はある程度効くようだ。逆は存じ上げない。
従来型は「べと病」に効くが、新型は活性を失っており、効かない。しかし、薬害は新型の方が少なく、扱いやすいようだ。作物を汚さないので農家の需要が高いが、耐性菌管理を厳しく行う必要がある。
(※便宜上、ここで私がそう仮称しているだけです)

「ストロビー」は野菜と、一部花卉向けの殺菌剤。年2～3回が年使用可能回数だ。うどんこ病、べと病、さび病、褐斑病、そうか病などに有効。

「アミスター」は現在のＱｏＩ剤の主力級。アミスター10が果実向け、アミスター20が野菜向けだ。年使用可能回数1～3。適用病害はストロビーとほぼ一緒。

「ファンタジスタ」は浸透移行性が良いことから優れた耐雨性があり、残効性にも優れる。葉表にかかれば葉裏にも効果が出る。うどんこ病、菌核病、灰色かび病、炭そ病、さび病などに効果がある。野菜・果樹。花卉類に適用あり。

「スクレア」は「ベニカＸネクストスプレー」の殺菌剤の主成分である。しかしスクレアは野菜・果樹専用(茶も含む)であるのに比べ、ネクストは花卉類・樹木類にまで適用が拡大している。
拡大解釈が許されるなら、スクレアも花卉類樹木類とワイドに使えるハズ。登録には少なくない金がかかるので、住友化学はスクレアに追加の登録料を払うのを躊躇ったが、住友化学園芸はネクストを売りやすくするために金を注いだのかな？
べと病に効かない・価格が高い以外は良い薬だけれど、ファンタジスタの方が安くて適用作物が多いんだよな。転じて微妙。

【ＦＲＡＣコード21】ＱｉＩ殺菌剤 (Ｑｉ阻害剤)
サプリで有名なコエンザイムＱ１０、ユビキノンの働きを阻害する。先に述べたＳＤＨＩ剤もＱｏＩ剤も、すべてミトコンドリアにおける、栄養分と呼吸を介してエネルギーを生産する回路のどこかに不具合を発生させて殺菌するものである。
耐性菌リスク中～高で、予防的に用いる。

●ランマン(シアゾファミド)
●ライメイ(アミスルブロム)
べと病・疫病の専門薬。「ランマン」が野菜、「ライメイ」が果樹。薬害が少なく、耐雨性に優れるが、効果は1週間で低下し始める。いちじくの疫病用にライメイを昨年買っていますが、使ったことなし。
野菜は収穫7日前とかですが、かんきつやいちじくは前日なので使い勝手は悪くなさそう。

おまけ【ＦＲＡＣコード29】フロンサイド(フルアジナム)
有名どころの土壌殺菌剤。作物によるが普通に散布も可能。土壌灌注は年1回まで。根こぶ病や、軟腐病、白紋羽病および紫紋羽病などに効果があり、ハダニ抑制効果やカビの胞子発芽、生成、侵入器官形成にまで影響を及ぼす。
染みこまないが、耐雨性には優れる。
耐性菌リスクは低だが、耐性菌もすでに確認されている。

※粉剤は基本的に屋内に持ち込んでいない(別容器に詰めた場合を除く)ので、持っていても写真はありません。
きょうはここまで。次回未定。


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