tarubaganさんの園芸日記
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梅雨時期のバラ ~消毒~

2024/06/22

東海地方もいよいよ梅雨入りしました。この時期、どうしても病虫害が出やすい季節になります。そこで、具体的な消毒について書いておきます。この時期に問題となるのは、やはり黒点病です。虫害としてはカミキリムシ、コガネムシ、スリップス、オオタバコガでしょう。

黒点病は雨が続くこの時期に蔓延しやすく、消毒を怠ると多くの葉が黄変して落ちてしまい、樹勢を低下させる原因にもなります。

カミキリムシの成虫は若い枝の樹皮を、幼虫はクラウン等を食害します。コガネムシの成虫は葉や花、蕾を、幼虫は根を食害しますが、カミキリムシもコガネムシも厄介なのは幼虫で、最悪はバラを枯死させてしまいます。スリップスは蕾の頃から花を食害し、ボトリチスの誘因にもなります。オオタバコガは幼虫が主に蕾や花を食害しますが、この二種は薬剤が効きにくいのも厄介な点です。

さて、雨が続く時期なので、消毒作業もやりにくいわけですが、出来れば10日に一度、少なくとも2週間に一度は消毒が必要です。まず、黒点病についてですが、梅雨時に最も頼りになるのはマンゼブ、つまりジマンダイセン水和剤です。散布後は葉や枝に成分が固着し、降雨がある度に少しずつ溶け出して消毒効果が長続きします。どうしても葉が汚れてしまうのが難点ですが、梅雨時ならあまり問題にならないでしょう。尚、ジマンダイセン水和剤はパラフィン系の展着剤「アビオンE」と混用すると効果的です。http://jppa.or.jp/archive/pdf/63_04_08.pdf(表-1 参照、confidence interval.95%)尚、この場合、他の薬剤や展着剤を混用しない方が効果的という報告もあります。

ジマンダイセン水和剤は事実上、抵抗性の発現がない薬剤ですから、総使用回数を守れば連用しても問題はありませんが、あくまで予防剤ですから、治療効果はありません。また、前述のようにアビオンE以外と混用しない方が効果的との報告もありますので、他の殺菌剤(治療効果のあるもの)とローテーションするのが現実的です。

治療効果のある他の殺菌剤でおすすめなのは1.ゲッター水和剤 2.ポリオキシンAL水溶剤 3.フルピカフロアブル 4.サルバトーレME 5.サプロール乳剤です。他にサンヨール、カッパーシン水和剤もあります。

カミキリムシ、コガネムシについては、成虫ならダントツ水溶剤、アクタラ顆粒水溶剤、アルバリン顆粒水溶剤といったネオニコチノイドの他、スミチオン乳剤、オルトラン水和剤といった有機リン系、トレボン乳剤やアディオン乳剤などの合成ピレスロイド系も有効です。ただし、ローテーションの際には同系統の薬剤を使わないようにしましょう。つまり、ダントツ水溶剤の次にアクタラ顆粒水溶剤とか、スミチオン乳剤の次にオルトラン水和剤を使うとかでは作用機序が同じだったりしますので、ローテーションにはなりません。これは殺菌剤にも言えることですから、IRACコード(殺虫・殺ダニ剤)やFRACコード(殺菌剤)を確認しましょう。ちなみにIRACは「Insecticide ResistanceAction Committee」、FRACは「Fungicide Resistance Action Committee」の略です。

カミキリムシの幼虫についてはクラウン~50~60cm上までの枝を観察する習慣をつけておきましょう。株元に雑草が生えていると確認ができないので、除草も大切です。木屑の様な虫糞が見られたら幼虫が食害している証拠です。専用のエアゾール等もありますが使いにくく、苦労します。そこで、トラサイドAという殺虫剤が便利です。これはバラに適用がありませんが、私はこれを使用して特に問題が出たことはありません。使い方の詳細等については、ご質問があれば回答致します。コガネムシの幼虫に対してはオルトラン粒剤、ダントツ粒剤、オンコル粒剤の他、ダントツ水溶剤の土壌灌注も有効です。

薬剤が効きにくくて厄介なスリップスやオオタバコガには、カスケード乳剤、カウンター乳剤、ディアナSC、アファーム乳剤が良く効きます。この内、カスケード乳剤とカウンター乳剤はIGR(Insect Growth Regulator=昆虫生育阻害剤)ですので、幼虫にしか効果がなく遅効性ですが、効果は比較的長持ちします。スリップスだけなら、トクチオン乳剤やベニカR乳剤も成虫・幼虫共に効果的です。オオタバコガに対しては他にプレオフロアブル、フェニックス顆粒水和剤、アクセルフロアブル、ゼンターリ顆粒水和剤がおすすめです。アクセルフロアブルはカミキリムシやコガネムシなど、広範囲の害虫にも効きますし、混用事例が多いのも特長です。ゼンターリ顆粒水和剤はBT剤なので使用回数に制限がなく、人畜に対する安全性が極めて高いのが特長ですが、降雨に弱いのでアビオンEと同時にダインといった展着剤と混用すると比較的効果が長持ちします。尚、スリップスやハダニには殺菌剤であるポリオキシンAL水溶剤も効果がありますが、これは脱皮阻害なので幼虫にしか効きません(多少の産卵・孵化抑制あり)。

では、梅雨時の消毒について、使用薬剤とローテーションの例を挙げておきます。

1.ジマンダイセン水和剤(400倍)+アビオンE(1000倍)

2.ゲッター水和剤(1000倍)+カスケード乳剤(2000倍)+ダイン+アビオンE

3.サンヨール乳剤(1000倍)+ポリオキシンAL水溶剤(2500倍)+アクセルフロアブル(1000倍)+アビオンE

4.フルピカフロアブル(2000倍)+アファーム乳剤(1000倍)+ダントツ水溶剤(2000倍)+ダイン+アビオンE

5.ジマンダイセン水和剤(400倍)+サルバトーレME(3000倍)+アルバリン顆粒水溶剤(2000倍)+アビオンE

続きはまた後程。

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みんなのコメント(6)

tomatomamaです(*^▽^*)1人目のコメントさせてもらいました~~。実はコメントを入れさせてもらうのも初めてです。
母のバラのことで大変お世話になりました。また今後も色々教えて頂ければと思います。
この園芸日記、時間をかけてじっくりと読み込ませていただきたいなと思います(*^▽^*)

返信する

tomatomamaさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。お母さまのバラが復活しますよう、陰ながら祈っております。バラの栽培で気を付けること、消毒や剪定のことなど、折々に書いていこうと思いますので、宜しければ時々見に来てくださいね。お役に立てるなら幸いです。何かわからないことやご質問等があれば、遠慮なくどうぞ。

tarubaganさん、今晩は。園芸相談の最後の方、tarubaganさんの回答に対してコメントを書かせて頂きましたが、読んでいただけましたでしょうか?コメントを書いた後に「役に立った!」ボタンを押してしまったので、もしかしたら読んでいただけていないかな、、、と気になりまして(;^_^Aどこに連絡したらいいのかわからなかったので、ここに書かせていただきました~~。
明日、そだレポの方に母のバラのことを載せようと思います。まだここの使い方が分かっていないので、遅くなってしまうかもですが、今後もどうぞよろしくお願いします(*^▽^*)

返信する

tomatomamaさん、こんばんは。
コメント、読みましたよ。そだレポの件、承知いたしました。また読ませていただきますね。こちらこそ、これからもよろしくお願い申し上げます。

tarubaganさん、おはようございます(*^▽^*)
コメントを読んでいただけたようで、良かったです~~~。今朝、そだレポに母のバラを載せました。tarubaganさんからのアドバイスを抜粋させていただいています。
園芸日記のほうも読んでくださってありがとうございます(*^▽^*)

返信する

tomatomamaさん、こんばんは。
そだレポ、拝見しました。お母さまのバラが回復することを祈っています。

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