CÉLINA KIHANEさんの園芸日記
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二十六夜【壱】

2024/08/01
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【仲間の愛のカタチ】
7月31日(水)
二十六夜の……その日の晩、シーブックがゆうしゃとけんじゃを心配したのか……教室棟でお泊まり会をして、ザ・サマークリスマス・ブックスが納品されたので、保養施設にいるゆうしゃとけんじゃのおばあちゃんに夏コミ新刊を渡したら、ものすごく喜んで、生クリームチョコレートバターをお礼にくれたこと……海の日に階段を踏み外したけど、祖父母が曾祖母の為に手すりを取り付けていたので、手すりで奇跡的に軽傷で済んだこと、まるでそれがドラえもんのおばあちゃんの思い出のような気持ちになったことや……火曜日の午後のフィーカのトロペジェンヌとおばあちゃんの生クリームチョコレートバターとハレクラニ沖縄コナブレンドとミヒェルゼンのシナモン・キャンディスのマリアージュがウソエイトオーのようなブリジット・バルドーの吹き替え声優さんの懐かしい世界線だったこと……そんなことを教室棟でおしゃべりしていたゆうしゃとけんじゃはシーブック達と穏やかで優しい煌めく六等星と二十六夜の三日月が美しい星空に夢まどろむようにスペインの村の夜更けを共にしたのだった。
パラガス先生が写本室であの日見せてくれたような……ザ・サマークリスマス・ブックスが納品されたので、一部シーブックに渡したら、みんなで作っていたあれがこれだったんだねと感心しながら感慨深げに教室棟で読みふけっていたので、ゆうしゃとけんじゃはシーブックにそんな風に思ってもらえてとても嬉しかったのだ。
窓辺からは夜のそよ風に乗って……月下美人にも似たかおりのジャスミンの素敵なフレグランス・ノートが漂い……今宵のような穏やかで優しい夜にはとてもよくお似合い。
流石に鈴虫が鳴くにははやいけれど、お庭で昆虫の音楽会が開かれており、心地よい音色を奏でている。
そんなミッドナイト・シンフォニーがきこえてきて……ゆったりとした心地よい調べが穏やかで優しく……あたりを幻想的につつんでいた。
夜風はとても涼しく……ジャスミンの穏やかな花のかおりはとても幸せな気分になり、しばしエアコンをしっかりと休ませて……日課の時間にはなった。
エアコンを休ませてこの涼しさは植物の織りなす涼しさであり、夜風のかおりにジャスミンの花が月下美人のようにふんわりとかおり、なごみの心地よいそよ風が夜明け前の穏やかな教室棟の夏休みのお泊まり会として、とても幸せだったのだ。
やがて小鳥たちの朝のさえずりが夜明けとともに静寂な空間にこだましては賑やかに……あちこちからきこえてきて……時おりとても涼しい朝の風がジャスミンとともにかおり、カーチャンが持ってきたアイスボックスのグレープフルーツのような柑橘の心地よいかおりは北欧紅茶とノーベル賞を彷彿とさせた。
窓辺の鉢植えに朝の灌水作業などを済ませて……アイスボックスのグレープフルーツをみんなで食べた。爽やかですっきりとした朝にとても心地よい。
それからお庭と教室棟の鉢植えに灌水作業などを済ませて……外は本当に涼しくて、冷涼な風が絶えず吹いており、お散歩する人々がちらほら朝の教室棟の煉瓦道に見えて……まるで天然のクーラーのような冷涼な風が心地よい、朝のお散歩タイムだったのだ。
洗濯物に蝉が微睡みから目覚めて羽ばたく……お庭での灌水作業ならではの風物詩は、いかにも夏休みの朝という感じがするとみんなで思った。
お泊まり会は楽しかったね。いかにも夏休みって感じがして楽しかったよと……朝食の準備を教室棟の家庭科調理室でみんなで考えながら、メニューを組み立てるのもおもしろいねなどと談話しつつ、モーニング・ティーセレモニーの時間がやってきたのだとパラガス先生はニヨニヨしていた。
シーブックはカートの中からたくさんバゲットとコモンズベリージャムを取り出して、みんなの分もこれならあるかなと渡してまわり、次に校庭の菜園でお野菜やフルーツやハーブを朝摘み収穫してサラダを作り、林デパートの明日への希望のお茶とルイボス麦茶にジャスミン茶と生クリームチョコレートバターを添えてボナペティーした本日のパラガス流モーニング・ティーセレモニーだった。
食後の生クリームチョコレートバターを林デパートの明日への希望のお茶とジャスミン茶と味わう至福のひとときはまた格別で……ジャスミン茶で水分補給をしていると、八百屋のおっちゃんがお米を届けてくれて、おまけにマンゴーゼリーを二つくれた。
お庭で蝉時雨が賑やかにきこえてきて……ああ、朝なのだと実感するゆうしゃとけんじゃはシーブック達と教室棟に戻って……素敵な様々な食材が補給されたことを喜んでいた。
途中、おくすりを服薬する時間になり、ジエノゲスト錠モチダと泌尿器科と院長先生と神きゅんの神製薬のおくすりを服薬して……きちんとした休養の合間の夏休みは、ゆうしゃとけんじゃは謎の病に罹患していながらも気分が晴れるとても素敵な朝の時間をシーブック達と過ごせてとても楽しくて幸せだったのだ。
シーブックは教室棟でザ・サマークリスマス・ブックスのクリスマス写本の数頁に目を留めており、ゆうしゃとけんじゃはシーブックが何やらじっくりクリスマス写本を読んでくれているなと思っていたが、シーブックがこの女の子の絵を描いたのは誰?とたずねたので、ゆうしゃとけんじゃはシーブックが開いていていたページをみると、けんじゃが描いた女の子の絵だった。その女の子はパラレルワールドのお嫁さんなんだとシーブックにその話を付け加えるとシーブックはとても驚いて、コールドスリープしている間の女の子にそっくりだというので、確か夢から目覚める直前に精神か何かおかしくなったのでという話もゆうしゃとけんじゃはシーブックと巡り会えた偶然はもしかしたら運命なのかもね……名前もフランス語で写植してある原稿だから……シーブックはその子の名前がこうして知れて良かったよと言っていた。
それからこの女の子は今どうしているのかとたずねられて、パラレルワールドの時代違いの配偶者が今しっかり休ませているはずだと思うけど、ルーヴィルに今の時代で転生した状態で妻子持ちで配偶者と幸せに暮らしているよ。
ルーヴィルなら近いから簡単に会えるよ。名前はエレノア・ド・ルーヴィルといって、フランツ・ド・ルーヴィルのお嫁さんだねとゆうしゃとけんじゃはシーブックに教えたら、シーブックは目を丸くしていた。
話を聞くと、シーブックはルーヴィル国際空港のホテルに住まいがあり、その手配から日ごろ世話など面倒を見てくれている夫妻だというので、ゆうしゃとけんじゃはああなるほどと、シーブックの言っていた意味がなんとなくわかった。
今はルーヴィルは共和国だから肩書きだけど、あの夫妻ならシーブックはある種のパラレルワールドに当てはまるはずで、表紙はその女の子のパーツで描いているから、ある意味この表紙はシーブックだよ。だって性別違いの同じパーツで書き下ろしたんだ。本当はカミーユ速水きゅんなんだけど、厳密にはシーブックの方の顔のパーツなんだよね。
けんじゃがシーブックにそんな説明をする。もちろんシーブックとしてはこの絵は描いていないからカミーユ速水きゅんの表紙なんだけど……と付け加えて。
パラレルワールドのシーブックのパーツと基本的には一緒なんだけどとも詳しく説明もして。
シーブックは心当たりがあって誰のことを言っているのかようやく理解したよ。だから神だったのか。
神きゅん?製薬会社の息子の?とゆうしゃとけんじゃはシーブックにたずねると、多分神がこうして助けてくれたんだと思う。それなら納得で、全てつじつまがつくからねぇとシーブックがストンと腑に落ちた印象で話したので、神きゅんならいつもファーザークリスマス学園でめっちゃファーマシーしているから簡単に会えるよと教えたら、神らしいなぁと頭をポリポリかいて感心していた。
ゆうしゃとけんじゃはシーブック達とおっちゃんがくれたおまけのマンゴーピーチゼリーを林デパートの明日への希望のお茶とジャスミン茶といただいて、小腹を満たしつつ夏休みの教室棟で仲良くそんな会話をワイワイと楽しんだり、お勉強したりして夏休みの宿題をがんばったり……そんな穏やかな教室棟の朝のひとときはかけがえのないきらめきを感じるようで、とても実り多き午前中の時間がゆるやかに優しく寄せては返す漣のように……夏コミ新刊の限定版の予約特典の話をしていた。琉球ホタルガラスのアクセサリーなんだ。
サマークリスマスにプレゼントを渡すので、プレゼント交換したり配ったりするよとサマークリスマスを楽しみに待つみんな達。
夏休みの日々は謎の病ながら充実していたゆうしゃとけんじゃはシーブックとサマークリスマスのプレゼント交換の約束をしたのだった。
そんならんらんちはサラダ冷麺に林デパートの明日への希望のお茶とジャスミン茶といただいて、窓辺とお庭と教室棟の鉢植えにお昼の灌水作業などを済ませて……相変わらず今日はとても風が涼しくて過ごしやすい……そんな滋養をつけたお昼休みのシエスタ休憩はゆるやかに……そして伸びやかに過ぎゆく青空がきらきらと煌めくような爽やかな一陣の風のような午睡の時間帯だった。
しかし神きゅんの確信犯的なバサラ生誕年までシーブックを二十年前の状態で連れて行く気満万感ハンパないねとゆうしゃとけんじゃはシーブックに事情を説明した。
きたないな!さすが腹黒紳士きたない!
あいつら絶対神きゅんとパラガス先生のコンビで逃亡者ネタをぶんまわしたいだけや!
これ以上あの名コンビに騙されてはいかん。
駄菓子菓子視聴率はこちらのものだ!
そんな予感がする……!
逃亡者……来るッ!
……あの名コンビは腕は超一流だからなあ……揃って腹黒紳士なのが玉にきずなだけで、医療ならあの名コンビなら腕は超一流なんだ。
だからあのふたりの密かな楽しみが逃亡者ネタしかないのかもしれないのだ。あのふたりは思いのほか寂しがり屋なんだ。
シーブックはとても落ち着いており、根っこはふたりとも人恋しいだけなんだよ。それならそうで人は案外そんなものだよとゆうしゃとけんじゃはシーブックにちょっと上手い身の振りようを教えてもらった。ちょっとした生きる処世術ともゆうしゃとけんじゃはシーブックからそんな上手い返しがあるんだねと目から鱗だったのだ。
シーブックは神とは付き合い長いから神の考えていそうなことはだいたい理解できるよ。根っこは性格良いからこういう形で助けてくれたんだと思うとゆうしゃとけんじゃはシーブックからそんな意外な発言を聞いてびっくりしていた。
シーブックはお人好しなのか思いやりが深い性格なので、そんな温かみのある考え方が出来るのだろう。
ゆうしゃとけんじゃはシーブックの言動からは学ぶことが常日頃多く……決まってシーブックは上手い話口調でゆうしゃとけんじゃをたしなめる。見事という他にないレベルにシーブックは人格が出来ていた。
オレと神は本当に付き合い長いからなぁ……根っこは素直で思いやりもきちんとあって面倒見がいい子だよとシーブックは日ごろ神きゅんの言動からはおよそうかがいしれない話を聞かせてくれた。
本当に困っている人にはきっちりとしていて、神は面倒見がいいんだよという。寧ろゆうしゃとけんじゃにそんな態度とってるのが意外なんだよと言っていた。
愛情の裏返しでゆうしゃとけんじゃは神に気にかけてもらえてるんだと思うよ。でなければ神みたいなタイプは思っていても言葉として口には出さないよと続けた。
隙を見せないというか計算高く動くからね。そんな素の自分をゆうしゃとけんじゃは神が見せているならなおさらゆうしゃとけんじゃは神にそれだけ気にかけてもらってる証拠だよ。断言してもいいよという始末で……。

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