ptechさんの園芸日記
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雪のクロッカス

2016/03/13
雪のクロッカス 拡大 写真1 雪のクロッカス 拡大 写真2

クロクス・ジーベリ・スブリミス(Crocus sieberi subsp. sublimes:アヤメ科クロッカス属)が咲きました。

クロクス・ジーベリは「クレタ島のクロッカス(Cretan crocus)」と呼ばれる早春咲きのクロッカスで、バルカン半島、ギリシャ、クレタ島に自生しています。
いずれも花の中心部と葯や花糸が鮮やかなオレンジ色をしています。
また球根は球形で、細かい網目状の繊維質の外皮に覆われています。
最初に緑の葉先を数本出して、葉を背負うように蕾が出てきて、それから花が開きます。

主に分布地の違いにより4種の亜種があり、
ジーベリ・ジーベリ(Crocus sieberi ssp. sieberi):
基本種で、クレタ島の雪の積もらない乾燥地に自生します。外側に赤い模様の入る白い花をつけます。

ジーベリ・アティクス(Crocus sieberi ssp. atticus):
アテネ周辺のアッティカ(Attica)地方の草原や明るい針葉樹林に自生しています。薄い藤色や淡い紫色の花を咲かせます。
種小名は地名に由来します。

ジーベリ・ニバリス(Crocus sieberi ssp. nivalis):
ギリシャ(南ペロポネソス)の冬は雪に覆われ、春は低い背丈の草原に自生し、藤色の花を咲かせます。
種小名はラテン語で「雪の、雪で覆われた」という意味です。

そしてこのクロクス・ジーベリ・スブリミスはギリシャ、マケドニア、南アルバニア、南ブルガリアの冬に雪が積もる山地の背の低い草の中や明るい森林に自生しています。
雪の残る2月ごろから3月に咲きだすクロッカスということで「雪のクロッカス(snow crocus)」と呼ばれています。

背丈は10cmまでです。
花被は藤色から鮮やかな紫色で、目を引くオレンジ色の中心部との境は白い帯が入ります。
藤色の花をつける株の場合は、内花披が薄い藤色、外花被が濃い藤色で、とてもお洒落です。

ジーベリ・スブリミスやジーベリ・アティクスは、花の咽部に毛がないのでジーベリ・ニバリスと区別できます。
またジーベリ・スブリミスは他の亜種より海抜の高い山地で見られます。

ギリシャの山で働く人たちは球根を生で食べるそうです。ヘーゼルナッツの味がするといわれています。

チェコの博物学者のフランツ・ジーベル(Franz Wilhelm Sieber:1789–1844)さんに由来します。彼はヨーロッパ、南アフリカ、オーストラリアなどを旅行して植物を採取しました。
このクロクス・ジーベリも彼が採取したもので、フランスの植物学者(多くの植物を命名した)ジャック・ガイ(Jacques Gay)さんによって1831年に発表されました。多くの植物にジーベリという名を残しています。

種小名スブリミスはラテン語で「上の方に、高いところに」という意味で、高山に自生していることを指しているのだと思います。

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