ptechさんの園芸日記
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ムスカリのような花

2016/03/18
ムスカリのような花 拡大 写真1 ムスカリのような花 拡大 写真2 ムスカリのような花 拡大 写真3

ヒヤキンテラ・アクティロバ(Hyacinthella acutiloba:ユリ科ヒヤキンテラ属)が咲きました。

ヒヤキンテラ属(ユリ科、キジカクシ科(アスパラガス科、クサスギカズラ科))はトルコを中心に西は、ヨーロッパ東部から南東部を経て、東はイラン北部に約18種が分布しています。夏に乾燥する岩場の傾斜地に自生しています。

ヒヤキンテラ属について我が国ではあまり情報がないので、少し詳しく述べますと、
ヒヤキンテラ属の球根の外皮は白い粉(分泌物の結晶)を吹いています。
葉は全て根出葉で、通常2〜3枚で出てきます。
花の高さは3〜25cmで、ムスカリなどに比べて背丈も花も小型です。
花は淡青から濃紫の口の開いた鐘型で、短い花梗があります。
ムスカリ属の花の先端がつぼんでいるのに対し、またスキラ属の花被が分離しているのに対し、鐘状の花をつける点で区別されます。
ヒアシンスとは花被の先端が細く反り返らない点で区別されています。
葯は花被の開口部からでることはありません。近縁のムスカリ属(Muscari)やベレバリア属(Bellevalia)と異なるのは、枯れた花被が子房についたまま果実が熟すことです。

属名がよく似ているヒアキンツス属(Hyacinthus)は、ヒヤキンタセアエという属があった時に中央トルコに自生していた3種を指しましたが、今は他の2種はスキラ属に分類され、ヒアシンス(ヒアキンツス・オリエンタリス:Hyacinthus orientalis)1種のみになっています。

また和名をツリガネズイセン(釣鐘水仙)というヒアキントイデス属(Hyacinthoides)は、スキラ属(Scilla)やエンディミオン属( Endymion)などに分類されたことがありましたが、今日では元の分類から戻されました。淡青紫色をした釣り鐘状の花を咲かせます。
毎年更新される球根と、花茎の先端の花苞(苞葉)から2本の花が出ることが多いという2つのことからスキラ属と区別されます。

さてヒヤキンテラ・アクティロバはトルコ東部の標高1900〜2000mの高山の樫の林間や石灰岩地の斜面に自生しています。

花は2〜3月にかけて花序を出し、最終的には背丈は8〜12cmになります。
ムスカリと違って花梗は上方に向けてついています。おかげで花の中がよく見えます。
したがって花は俯き加減に開かず、横向きに開いています。
この種類の中では花は大きく、長さ1cm足らずの細い鐘型をしています。
花披は先で浅く6裂し、裂片は反り返ります。雌しべ1本、雄しべ6本で、花から出ることはありません。
花色は透明な印象の薄青色から明るい青紫色をしています。

幅のある披針形の葉は白青緑色をしており、花穂を抱えるように、2〜3枚が根出します。

属名はギリシャ神話のアポロに愛されたスパルタの王子ヒアキントスに由来します。
種小名は「尖った(acuti)裂片(loba)の」という意味です。

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