ptechさんの園芸日記
16

黄色いムスカリ

2016/03/21
黄色いムスカリ 拡大 写真1 黄色いムスカリ 拡大 写真2 黄色いムスカリ 拡大 写真3

ムスカリ・マクロカルプム(Muscari macrocarpum:ユリ科ムスカリ属)が咲いています。
ムスカリ・マクロカルプムはクレタ島東部、エーゲ海のサモス島やキクラデス諸島のアモルゴス島、トルコ北西部などの岩場に自生しています。

以前はムスカリ・モスカツム・フラブム(M. moschatum var. flavum)という名で知られていました。
基本種のムスカリ・モスカツムはムスカリ・ラセモスム(Muscari racemosum)の異学名を持ち、成長の遅いかったので流通することはなかったようです。

ムスカリ・モスカツムは花色が始めは紫、後にクリーム色になるムスカリで、その変種のムスカリ・モスカツム・フラブムは開花すると全てが黄色い花になります。

このムスカリ・モスカツム・フラブムが後にムスカリ・モスカツムの変種ではなく、独立した種としてムスカリ・マクロカルプムと命名され、分類されたのです。

ムスカリ・マクロカルプムはムスカリミア(Muscarimia)亜属に含まれています。
ムスカリミア亜属は花被の先に褐色の副花冠があり、稔性を持つ下部の花は黄色〜黄緑〜白で、上部の不稔性花は紫色をしています。

ムスカリ・マクロカルプムは花茎が立って、蕾が総状花序につく頃は白みがかった青紫色をしており、このような色の花が咲くのかと思わせます。
蕾の花筒の先には6個の膨らみ(副花冠)があります。
花茎が10〜15cmに伸びるころには、一番下の蕾は10mmほどの長さになります。
花筒の先の中心部が開く前には黄味を帯びてきますが、全体が黄色くなる前から、先端部の副花冠を含む中心部周辺が茶褐色に色づいてきます。
花筒の先の中心部が開くと(多分開花と言っていいと思います)、全体が黄色くなります。
さらに咲き進むと茶色い斑点が出だし、全部が茶色くなって枯れてしまいます。

永年生の太い根とムスカリにしては大きな球根を持っています。
葉は4〜6枚で、長さ10〜20cmの青緑色の幅1cmほどの細長披針形で、湾曲します。

冷涼な気候ではなかなか成長しにくいようです。しかしムスカリ・マクロカルプムが発見され、容易に育てることができるようになって1948年に王立園芸協会(RHS)のAward of Garden Meritを受けています。
2003年頃から米国で園芸種として流通するようになり、知られるようになりました。

英名は黄ムスカリ(Yellow Grape Hyacinth)です。

バナナのような香りが花にあります。特に香りが強い「ゴールデン・フレグランス(Golden Fragrance)」という選別種があります。

種小名マクロカルプムはギリシャ語由来で、「大きな(macro)果実の(carpus)」という意味で、大きなタネが稔ることを指しています。

異学名の種小名モスカツムは「麝香の香りのする」という意味です。属名ムスカリも「麝香(ムスク)の」という意味ですから、よほど麝香の香りがするということですね。
またラセモスムは「総状花序の」という意味で、花のつき方を指しています。
異学名の変種名フラブムは「黄色の」という意味です。

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