ムスカリ・アナトリクム「ジャイアント・フォーム」(Muscari anatolicum 'Giant Form':ユリ科ムスカリ属)が咲きました。
アナトリアはギリシャ語で「東方の」「日出るところ」という意味で、アジア大陸の一番西、いわゆる小アジアを指しています。
1990年の中央アナトリア探検旅行で、トルコ中部のスルタン山脈(Sultandağ:最高峰海抜1980m)で発見され、1994年にジル・コウリー(Jill Cowley:1940〜)さんらによって発表されたムスカリです。
1960年頃から発見例があり、トルコ東南部の海抜1100〜2300mの山地の石灰岩の斜面地やレバノン杉などの針葉樹林間の開けたところに広く分布していることが分かりました。
球根は直径15〜25mmで簡単には分球しません。
葉より長さの短い花茎を立てて15〜20輪の花を総状花序につけます。
花序は細長く、二色咲きで、下部の稔性を持つ花は香りがあり、濃い黒青色で、口部は白い縁取りがあります。
上部の不稔性の花は淡紫色、あるいは明るい青の小さな壺型で、開口部はカーキ色から紫色を帯びています。
濃い緑色の葉は断面がU字型の線形で、長さ10〜15cm、10本ほどが立ち上がります。
ムスカリ・ネグレクツム(Muscari neglectum)とよく似ていますが、蕾の時の色は灰緑色で、成熟すると黒青色になる点がネグレクツムと違っています。ネグレクツムは初めから濃青色をしています。
また花を詳細に観察すると、開口部はネグレクツムより大きく反り返り、開口部の根元はほとんど狭ばまりません。葉に関しては、ネグレクツムと同じような形状をしています。
ムスカリ・ディスコロル(Muscari discolor)とも似ていますが、ディスコロルはもっと低地(海抜900〜1100m)に分布しています。
またディスコロルは草原で見られ、花はアナトリクムより大きく、時期も少し早い3月頃から咲き始めます。ディスコロルは倒皮針形の葉で、葉は花茎より短いのが特徴です。葉の特徴はネグレクツムの方が似ています。花の香りも違います。
自生状態では分球しないのですが、栽培するとネグレクツム同様花茎を複数立て、分球もし、当然葉の数も多くなります。
これは「ジャイアント・フォーム(Giant Form)」と呼ばれる明らかに大きいサイズの選別種、あるいは園芸種です。
もっとも大きいと言っても10.5×10.5cmのポットに入れても、大きなポットに入っているように写っています。ネグレクツムより小さいです。
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