アリアケスミレ(有明菫、ビオラ・ベトニキフォリア・アルベスケント:Viola betonicifolia var. albescent:スミレ科スミレ属)の桃色花種が咲きました。
アリアケスミレについて、もう一度詳しく調べてみると、日本だけのスミレでないことがわかりました。
1817年に英国の植物学者スミス(James Edward Smith:1759 –1828)さんがオーストラリアのニューサウスウェールズ州で発見されたこのスミレの基準標本にビオラ・ベトニキフォリアと命名しました。
ビオラ・ベトニキフォリアは、西はパキスタンからインドを経て南アジア、日本を含む東アジア、南はオーストラリア東部とタスマニアにかけて分布しています。
これだけ広い分布域を持つ植物はいずれも多くの異学名がつけられていますが、ビオラ・ベトニキフォリアも8つほどの名前を持っています。
道路際や草原、1500mより低い山地の斜面、林際などの日陰の湿った場所に自生しています。
ビオラ・ベトニキフォリアは、無茎種のスミレで、根出葉から花茎を立てます。葉は長い葉柄につく先の丸い披針形で、鈍い鋸歯があります。
この葉の形が「ベトニカ・オフィキナリス(Betonica officinalis)に似た葉の」という種小名になっています。
ベトニカ・オフィキナリスとはスタキス・オフィキナリス(Stachys officinalis)の以前の学名です。
丸みのある披針形で、鈍く、緩い鋸歯の葉を持つ植物には、葉の質感、大小などに関係なく、リンネの命名に倣ってこの名がつけられるようです。
花は幅1〜1.5cm、明るい赤紫色で、中心部が白く抜けています。
ビオラ・ベトニキフォリアを調べて分かったのですが、多くが赤紫色、まれに薄紫の花色をしており、日本のアリアケスミレは珍しい色だと分かりました。
名前は花色が有明の空、つまり月の残る夜明けの空に因むといわれ、花の色に変異があるからといわれています。なるほど夜明けの空は、暁の空や真っ青、薄青の空になりますから、いろいろあるということですね。
アリアケスミレは多くは、3枚目の写真のようにブルーの筋、あるいはかすれが入っています。
しかし基本種が赤紫の花だとすれば、赤い筋やかすれが入っているほうが自然です。
ピンクのアリアケスミレに納得です。
日本スミレ研究会で配付していた種子からです。
リストには桃花と紅花がありましたが、育ててみると同じものでした。
変種名アルベスケントは「白っぽい」という意味です。
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