ptechさんの園芸日記
15

ケマンソウ「バレンタイン」

2016/07/02
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ケマンソウ「バレンタイン」(華鬘草:Lamprocapnos spectabilis 'Valentine':ケシ科ランプロカプノス属)です。

ケマンソウはシベリア、中国東北部(黒竜江省)、朝鮮半島、日本に分布する宿根草です。
以前はディケントラ属(Dicentra)に含まれていました。フミリア(Fumaria)属やディクリツラ(Diclytra)属に含まれていたことがありますが、今はランプロカプノス属に再分類され、ランプロカプノス属はこの1種類だけで構成されています。

ケマンソウは1840年代にスコットランドの植物家で、プラントハンターのロバート・フォーチュン(Robert Fortune:1812-1880)さんによって英国に紹介されました。フォーチュンさんは中国からインドへチャノキを持ち出した人です。またキンカン属の学名フォーチュネラ(Fortunella)は彼の名に因みます。

草丈は30〜100cmほどになる根茎を持つ宿根草です。
茎は赤い色を帯び、2回3出複葉の葉は、普通は灰緑色ですが、「バレンタイン」は芽出しの時には茶紫色で、しばらくすると濃緑色に変わっていきます。

春から晩春に、アーチ状に湾曲した花茎を伸ばします。
総状花序にハート型をした花を下向きにいくつもつけます。
このハート型の外花弁はピンクから赤色をしており、先の両端が細長く、開花すると大きく反転します。
「バレンタイン」は花の色がチェリーレッドになる選別種です。
内花弁は白い色をしています。

上手く育てると花が10輪以上垂れ下がって咲くので「鯛釣草」とも呼ばれています。
「リラ(古代ギリシャの竪琴)フラワー(lyre flower)」や「浴槽の女性(lady-in-a-bath)」という英名と比較して、日本ではめでたい名がつけられたようです。
もっとも「オランダ男性の砲尾(Dutchman's breeches)」という名もあるようですが、これって卑猥な意味なんでしょうね。

秋に地上部が枯れて休眠に入ります。
種子にはエライオソーム(elaiosome)がついていて、蟻によって遠くまで運ばれるそうです。
湿った冷涼な地域では日なたで育ちますが、乾燥した温暖なところでは日陰の方がいいようです。

このタイプの花を咲かせる種類は「血の噴き出す心臓(Bleeding heart)」という英名があるので、Asian bleeding-heart(アジアの血のしたたる心臓)と呼ばれます。

属名のランプロカプノスはギリシャ語で「輝く(ランプロ)煙(カプノス)」という意味です。
同じカプノスとつけられているダクティリカプノス同様、煙という言葉がつくのは、同じ科の他属に共通するシダのような裂片葉という特徴があるのに対して、ダクティリカプノスやランプロカプノスは全縁の複葉の葉を持つので、こうつけられたということです。

種小名スペクタビリスは「壮観な、華々しい」という意味です。

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