小春さんの園芸日記
2022年08月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
カテゴリ

蘇る森

2022/08/20
蘇る森 拡大 写真1 蘇る森 拡大 写真2 蘇る森 拡大 写真3

森林火災は消火し、現場の爆発物処理所では、木曜日に市内で発見された500キロ不発弾の処理が行われました。発見現場で起爆管を切り離し、爆弾本体を移送して処理します。不発弾が見つかるたびに大渋滞、近隣の駅には電車は停車せずに通過します。

2018年の森林火災現場を自然保護連盟が調査した結果が発表されました。燃えたのは、19世紀初頭に緑化のために植えられたヨーロッパアカマツとトウヒの針葉樹林です。針葉樹林は温暖化に特に弱く、近年はカミキリムシの幼虫が巣食って、次々に枯れています。成木で幼虫200匹程度までは、樹液を出して窒息させることで、影響されません。ところが、近年の干ばつで樹液が減ったために、木が対処出来なくなっています。虫害の蔓延で枯れ始めた木は、あっという間に燃えます。

黒焦げになった針葉樹類は再び芽生えることは無いとのことですが、今回の調査では、700度の高温で焼けた林床からシダや草が芽吹き、近隣の広葉樹林から飛んできたのか、鳥が運んだのか、白樺やナナカマド、菩提樹など、広葉樹が育ち始めていることが判りました。それまでの針葉樹の人工林よりも健全な森が新たに生まれました。さらに木の種類を増やすため、周囲にあれこれのドングリやクルミなど、木の実を置いています。あとはカケス、ミヤマガラスやリスが拡散してくれます。

新生林が最終的な森へと育つには70年から100年かかるそうで、私たちの目が黒い(青い?)間に散策することは出来ませんが、自然の力に驚かされます。『黒い森』などが有名ですが、アルプスの麓には、元々針葉樹の森があります。平地や海沿いに後から植えられたモノカルチャーの針葉樹林は、昨今の温暖化に弱いということが判り、負の遺産とも言うべきものでした。100年、200年単位の気の長い話ですが、多種多様な動植物に恵まれた森に生まれ変わるチャンスです。

カメラ1 干ばつで秋景色になっている若い森 
カメラ2 ワルシャワ~東北ドイツへつながる『ワルシャワーベルリン原始流』氷河期の名残の沢に沿って生える広葉樹。原始流一帯には湿原が多く残っていましたが、干拓が進んでいます。現在でも泥炭や、園芸用のピートを掘っています。最近、湿原がCO2を抱き込んでおり、掘り起こすと大量のCO2が大気中に拡散されることが判明しました。そのため、干上がった湿原や、干拓された場所に再度水を入れて自然に還す運動や、ピートの不買運動が始まっています。
カメラ3 苔生した倒木は動植物の宝庫ですが、ただ倒れているだけの乾燥した針葉樹は、発火材にしかなりません。

「蘇る森」関連カテゴリ

みんなのコメント(10)

森林としての形態、成り立ちを広葉樹が貢献しているという事、そしてその幼木が、70年から100年かけけ成長しながら森林を保全する仕組みを小動物や鳥たちも役立っている事が、改めて、大自然のなりわいを考えさせられた小春さんの日記に、胸が熱くなりました。ヨーロッパの熱波や森林火災のニュースを虚しい気持ちで見ていた自分がいました。
お見舞い申し上げます💦💦

返信する

ジャマイカさん
こんばんは

自然界のバランスを保つのは難しいですね。東北ドイツの氷河が通った跡は、砂がほとんどの痩せ地が多く、痩せ地でも育つアカマツやトウヒで図った緑化が仇になっています。スペインやポルトガルでは、緑化対策に大量に植えたユーカリの精油が山林火災の一因になっています。コロンブスなどの大航海時代に大木を使ってしまったはげ山を緑化するために植えたそうです。もっと古い話では、ギリシャ、ローマ文明が栄えたところでしょうか。はげ山だらけです。

人の手を加えるのは難しいですが、自然だけに任せるのも問題があります。カエデ類などは種を飛ばしてどんどん増え、放っておくとあっという間に広がって、他のものを押しのけます。自然保護団体が、市民参加の『カエデを抜く会』を開催しますが、根が深いので、小さいうちに抜かないと大変です。生長が速く、良質の木材や蜜源にもなる北米原産のニセアカシアも、森全体を乗っ取る傾向にあるとか… その昔、東洋の漆塗りに憧れて移入されたスマックも、この木からは漆は採れないことが分かったころには市全域を乗っ取りましたうれしい顔 昔からある、この辺にいる鳥や小動物が好むものを選び、彼らに増やしもらうのが正解のようです。

なるほど、松の樹だってヤニが出てきたり、
ミドリつみをすれば指先がベタベタ真っ黒になります。森林火災の着火材になっているかも知れないし、カエデを抜く会まで作って
保全に市民の方が協力されているのに
上手くいかない事があるんですね。
足るを知るっていう言葉がありますが、
良いバランスを保ちながら、火災の後の山林が緑色に変わっていく光景を願います🍂🍂🍂

返信する

ジャマイカさん
こんばんは

NABU という環境保全協会で、各自が好きに選んだ場所で鳥や虫を数えるイベントや、森の下草整備など、誰でも参加できる催しを主宰しています。クラス単位で子供も参加できるので、環境についての意識を変えるきっかけになります。ピート無しの土の作り方、芝に変わるグランドカバーなど、園芸方面でも、自由にダウンロードできるインフォメーションが沢山あります。

森の木を一本選んで、里親になる制度があるので、考えています。

うちは父親が50年ほど前に購入した山林があって一度だけ堺の確認に行ったことがありますが、ゴールデンウィークだったのでヒノキの植林のなかに一本だけシャクナゲが花を咲かせていました。ヒノキだと植林から100年くらいで伐採して売りに出すそうです。もっとも木材価格は低迷していますが。
日本では宮脇昭さんが潜在自然植生についての研究で知られていますが宮脇さんはドイツでラインホルト・チュクセンの指導を受けたとか。うちあたりでもセンダンやクサギがどんどん繁って驚かされますが、あれは鳥の落とし物から育つようです。いわゆる「鳥の道」ですね。

返信する

あおさん
こんばんは

国産木材は馬鹿々々しいほど低迷しているようですね。東京も実は総面積の三分の一が山林です。二十年以上前になると思いますが、まだ生えているうちに木を選んで育ててもらい、将来その木で家を建てる、という動きが始まっていました。まだ続いていると良いですが。

宮脇昭さんという方は、Stolzenau におられたのですね。主人の実家にも近く、いつも通りますが、河畔の湿原と畠以外何も無い村です。三十年戦争の戦乱が激しかった地域です。

センダン、三宝寺池で初めて見ましたが、余りの大きさに気付かなかったくらいです。

うちは父親の実家が林業をやっていて実家のご当主、父親の兄の子息なのでいとこなのですが父親は9人兄弟の下から2番目なのでいとこと私は一世代ちがう、が管理してくれたのですが先年亡くなり、今は地元の森林組合に加入しています。なので実務は森林組合がやってくれますが、作業をすると請求書なり収支決算書が届きます。

あおさん
こんにちは

そうでしたか。将来を見越して木を育てる、特殊な職域ですね。夢があります。

ドイツは森林法が恐ろしく厳しく、自宅の庭で大きくなった広葉樹一本伐るでも許可が要ります。48%が私有の森ですが、管理が大変です。最近は、森の小屋に住み込みで働いている森林官が少なくなり、小屋はレストランなどになっていることが多いです。

懐かしい山中の景色です。こっとの山も倒木が進んでこんな景色に。
もう山に入れません。入りません。放置です。
名前が私の名義になってますが、手を入れてないからね~
境界線もわかりません。どうなるのか心配です。
そして山津波で崩れています。
昔の景色とは随分変わってることでしょうね。

返信する

かんちゃん
こんばんは

両親が遺した山林がありますが、兄名義になり、この先どうしようね、と言っています。平地が多い北ドイツの林と違って、起伏がある山林は、手入れも大変ですね。自治体や行政が率先して、100年、200年先を見据えて整備して行くことは無いのでしょうか… 有意義に使われると良いですね。

ベルリン・ブランデンブルクは痩せた砂地が多く、高温と乾燥にとても弱いです。

みんなの趣味の園芸にログイン/登録する

※コメントの書き込みには会員登録が必要です。

会員登録がお済みの方は

会員登録をすると、園芸日記、そだレポ、アルバム、コミュニティ、マイページなどのサービスを無料でご利用いただくことができます。

新着日記写真
生命力
2024/09/09
食事療法⑪214日...
2024/09/09
猛暑日です。
2024/09/09
悪い顔💦
2024/09/09
2024.09.09 今...
2024/09/09
咲きました~😍ワアー
2024/09/09
定期購読
投稿募集中 from テキスト編集部
見て見て!お気に入りの花

見て見て!お気に入りの花
自慢の植物・庭の写真を募集中!

みんなのマルシェ

みんなのマルシェ
自慢の畑・野菜の写真を募集中!