コニファーとは、庭木として楽しまれている針葉樹の総称です。特別な仕立て方をしなくても整った形に育つものが多く、シンボルツリーとして、あるいは庭の骨格をつくる庭木として人気があります。
コニファーは自然に円錐形やこんもりと丸く育つ樹形や、明るいライムグリーンや、シルバーがかった色など、多彩な葉色の美しさが魅力です。冬には飾り付けをして、手軽にクリスマスツリーとして楽しむこともできます。
コニファー おすすめの品種(6種)
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‘スマラグ’は濃い緑色の葉が美しい品種です。生育はやや遅く、端正な樹形になるので、剪定も少なくてすみます。冬は寒さで葉先がやや褐色を帯びます。「エメラルド」の名で早くから流通し、日本でも多く植栽されています。品種名は「スマラフト」「スマラグド」と呼ばれることがあります。
ニオイヒバの図鑑
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‘ブルー・ヘブン’は銀青色のコニファーで最も有名な品種です。自然樹形でも狭円錐形に整い、青みがかった葉色が美しい品種です。刈り込みにも耐えるので生け垣にも利用できます。そばに植える植物は枝が触れ合わないように低木か低いコニファーがよいでしょう。
ビャクシンの仲間の図鑑
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‘ホプシー’はプンゲンストウヒ(アメリカハリモミ、コロラドトウヒ)の園芸品種です。プンゲンストウヒのなかで最も有名な品種です。葉はシルバー色が強い銀青色で樹高約8mの円錐形になります。成木は存在感があり、シンボルツリーとしても見栄えがする非常に美しい品種です。
トウヒの仲間の図鑑
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‘クリプシー’はヒノキの黄金葉の品種です。冬でも黄金葉は変わらず、日が当たらないところは緑色になります。枝は水平から少し上方に伸び、枝先が下を向き弧を描くように伸び優雅なシルエットになります。刈り込みにも耐えるので生け垣にも利用でき、刈り込みを重ねると分枝して枝の粗さも感じなくなります。
ヒノキの仲間の図鑑
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‘ゴールド・ライダー’は、樹高6mほどとレイランドヒノキとしては小さく、個人庭園向きの品種です。別品種の‘ライトン・グリーン’より生育は遅く、枝は横に伸びます。葉色は黄金色で、冬も楽しめ、日当たりがよいと葉色が美しくなります。刈り込みに耐えるので生け垣にも向いています。
レイランドヒノキの図鑑
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‘ゴールド・クレスト’は明るい黄緑色の葉と整った樹形が人気で、日本ではもともと屋内観賞用に生産された品種です。生育が旺盛なので大きくなりすぎないように剪定して樹形を維持しましょう。同じ仲間に‘ゴールド・クレスト’より耐寒性の強い、アリゾナイトスギの‘ブルー・アイス’があります。
イトスギの仲間の図鑑
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コニファー 図鑑一覧(10種)
コニファーは育て方や性質によって、以下の図鑑に分類しています。育て方などを参考にしてみてください。
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アメリカネズコは葉には芳香があり、同属のニオイヒバより香りが強いほどです。若い株では枝がやや粗いですが、園芸品種には樹高6mほどで観賞価値が高く庭植えに向くものもあります。‘アウレア’や‘ゼブリナ’などの品種があります。
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イチイは耐陰性もある常緑樹です。変種のキャラボクは、和風の庭木として利用されるほか、自然樹形のまま洋風の庭やロックガーデンなどに植えられています。ヨーロッパで生け垣やトピアリーに使われるヨーロッパイチイなども仲間です。
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モントレーイトスギ‘ゴールドクレスト’やアリゾナイトスギ‘ブルー・アイス’がよく知られています。鱗片状の葉を立体的に展開し、放任しても整った狭円錐形の樹形となります。刈り込みにも耐えるので、生け垣やトピアリーの素材にも適しています。
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コノテガシワは園芸品種も多く葉色のバリエーションが多いのも魅力ですが、冬の葉色が茶色や褐色を帯びる品種が多くあります。生育期の黄緑や濃い緑の葉色から一変する冬の葉色を知ったうえで品種選びをすると、四季を通して周囲の木々との調和が楽しめます。
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トウヒの仲間は日本にもエゾマツ、アカエゾマツ、ハリモミ、マツハダほか、7種が自生しています。クリスマスに飾るモミの木とよく似ています。日本でクリスマスツリ-としてよく利用されているのはトウヒ属のヨーロッパトウヒ(ドイツトウヒ)です。
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ニオイヒバは、葉をもむとほのかな甘さを思わせる芳香を放ち、これが和名の由来となっています。刈り込みにも耐えるため樹形の維持もしやすく、生け垣の素材としても利用されるなど観賞価値の高いコニファーです。‘スマラグ’‘グロボサ’‘ラインゴルト’などの品種があります。
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日本にはヒノキとサワラの2種が自生しています。ヒノキ属にはたくさんの園芸品種があります。葉色や枝の形に特徴のあるものも多く、ガーデンプランに取り入れやすい品種が数多くあります。サワラには‘フィリフェラ・オーレア’‘ゴールデン・モップ’などの品種があります。
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日本ではヒマラヤスギやアトラススギが植えられています。どちらも大木になるので、植える場所に制限がある場合は、若いうちに剪定することで樹形および樹高を制限しておく必要があります。アトラススギには灰青色の葉色が美しい‘グラウカ’などがあります。
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日本にはイブキ、ミヤマネズ、ハイネズ、ハイビャクシン、ネズ、シマムロなどが自生しています。多くの種があるため性質もさまざまです。葉色のバリエーションも豊富で、植栽プランを考えるうえで価値の高いコニファーです。
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レイランドヒノキの葉は1年を通して濃い緑色を保ち、円錐形の樹形になります。生育旺盛で樹高25mを超えますが、早い時期から定期的に刈り込みや剪定することで樹形を維持することができ、生け垣にも利用できます。‘ゴールド・ライダー’などの品種があります。
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