セルレアカトレア。数種類生き残り。期待と失望の交錯。

植物名 カトレア
品種名 セルレアカトレア(ボーリンギアナ“アツミ”、トリアネ“スラ”、トリアネ“オホスアズレス”、トリアネピンセラタSIB、ルデマニアナ“ベロニカ”、ルデマニアナ“ルティ”、ルデマニアナ“シキシキ”、ルデマニアナ“ダークサイドブルー”、ワルセヴッチ“フロレスタ”、ワルセヴッチ“イソ”、ワルセヴッチ“イタンゴ”、ワルセヴッチセルレアSIB、マキシマ“ヘクタ”、ポーチァ“タカギ”、パシフィクミッション“エボリューション”)
地域 福岡県 場所 その他 栽培形態 鉢植え
日当たり 日なた(一日中) 満足度
ジャンル ラン

栽培ストーリー(わたしの育て方レポート)

セルレアカトレア。数種類生き残り。期待と失望の交錯。

セルレアカトレア。数種類生き残り。期待と失望の交錯。

作成日:2024/02/19
最終更新日:2024/06/24

「青色は男性の嗜好色」と言われる。桃色を主色にするカトレアには原種、交配種を問わず、皆無。薄藤色の個体をセルレアと呼んで珍重する。セルレアカトレアは、原種に少数あり、交配種に少ない。セルレアの有力交配原種は、ボーリンギアナであるが、株張り大きく、茎丈≒50cm以上に生育しないと良花が観られない。交配種ポーチァはやや小ぶりであるが、茎丈≒40cm以上。交配種マリーエリザベスもパシフィクミッションも、茎丈≒50cmを越さなければ良花は観られない。マキシマも色彩薄く、巨大化必要のハンデをもつ。ワルセヴッチも巨大系で茎丈≒40cm以上。トリアネ、ルデマニアナは、コンパクトだが桃色主色。セルレアは異端児であり、草勢虚弱揃い。「男性の嗜好色」に的中していないが、そこが狙い目。洋蘭専門店のカタログはバラに似て、骨董品取扱いのスタイルでマニアを夢中の世界に誘う。

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  • セルレアカトレア01。トリアネ“オホスアズレス”

    1

  • セルレアカトレア02。ルデマニアナ“ベロニカ”

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  • セルレアカトレア03。ルデマニアナ“ダークサイドブルー”MC

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  • セルレアカトレア04。ルデマニアナ“ルティ”

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  • セルレアカトレア05。ボーリンギアナ“アツミ”

    5

  • セルレアカトレア06。ワルセヴッチセルレア“ラフロレスタ”OG

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1.セルレアカトレア01。トリアネ“オホスアズレス”

セルレアカトレア。数種類生き残り。期待と失望の交錯。 セルレアカトレア01。トリアネ“オホスアズレス”
カトレアは原種、交配種を問わず、薄藤色の個体をセルレアと呼んで珍重する。セルレアカトレアは、原種に少数あり、交配種に少ない。トリアネ“オホスアズレス”は、22年2月上旬洋蘭専門店の通販で1苗購入。「成株でバルブも多く、シースも 付いています。“青い瞳”と名付けられた、自然個体らしく清楚ながら野性味を帯び、キリッとしまった濃青リップの個体です。他の人が持っていない個体をお探しの方、自然個体の良個体をコレクションしている方にお勧めします。活着株」標記であったが、届いた苗は小さい。過密状態で栽られていたようで、日照不足で草勢虚弱。シースは付いているが、開花能力の無いことは直ぐに分かった。幸い、素焼き鉢+水苔植えであった。23年、水苔鉢増し。実生のプロトコルが付いていたので自然個体でないことは分かった。更に1年間栽り続けて、24年2月上旬、初花が開いた。花茎細く、支柱なしには自立できない。このような花は、置いても数日で萎花する。記録写真に収め、早々に切り捨て。更に水苔鉢増し、草勢強化に努めることとなった。
セルレアカトレア、トリアネ“オホスアズレス”:24年2月10日撮影。

2.セルレアカトレア02。ルデマニアナ“ベロニカ”

セルレアカトレア。数種類生き残り。期待と失望の交錯。 セルレアカトレア02。ルデマニアナ“ベロニカ”
洋蘭集会で同席した事のあるカトレアマニア氏から電話案内。原種カトレアの世界誌に掲載「エンリケグラフ氏が自信を持って譲ってくれた“ベロニカ”は、83ポイントのシルバーメダルに輝き、ルデマニアナセルレアの中で最高に位置する。洋蘭雑誌ニューオーキッドの表紙を飾った。栄誉ある自然の最高傑作個体だと思う」。厭とは言えない。22年2月上旬、届いた苗は中位サイズ。1花茎2輪開花。やや日照不足のためか?薄い。ルデマニセルレアの満作株に付く花は、ぞっとするくらいセルレアの色彩が艶っぽく、存在感が輝くものだが、到着苗に付く花はそうでない。幸い、素焼き鉢+水苔植えであったため草勢回復は可能と思えた。水苔鉢増し。草勢向上を図ったたが、23年2月上旬、結果はいまいち。直ちに摘花、仏様供花に処分。更に1年間栽り続けて、24年2月上旬、2花茎4輪開花。花茎硬く、支柱無しで花が自立できる。撮影時、針金を引っ掛け床面落下。鉢を割り、花茎を折ったため、1茎削除。苦難の続く“ベロニカ”。また、草勢強化に努めなければならなくなった。
セルレアカトレア、ルデマニアナ“ベロニカ”:24年2月10日撮影。

3.セルレアカトレア03。ルデマニアナ“ダークサイドブルー”MC

セルレアカトレア。数種類生き残り。期待と失望の交錯。 セルレアカトレア03。ルデマニアナ“ダークサイドブルー”MC
21年2月上旬、洋蘭専門店の通販で2苗購入。カタログに「NEW!。遂に発売に至りました!。気持ち悪いくらい花全体の隅々までグレーの筋が入るセルレア個体です。低温で咲かせるとより青くなるようです。株はあまり大きくなりません。初回限定20株。3.0号鉢上げ直後」標記であったが、届いた苗はとにかく小さい。海の物とも山の物とも分からない。正体不明だが、幸い素焼き鉢+水苔植えであったため育成可能と思った。22〜23年、水苔鉢増しに終始。更に1年間栽り続けて、24年2月中旬、2苗のうち1苗に初花が開いた。花茎太くしっかりしているが、普通の桃色花。カタログの「気持ち悪い筋」など何処にも観られない。MCで親から変身したのか?、もともとこの程度の品質なのか?。このような花は、長く置いても意味をなさない。記録写真に収め、早々切り捨て。更に水苔鉢増し。またまた、草勢強化に努めることになった。
セルレアカトレア、ルデマニアナ“ダークサイドブルー”MC:24年2月18日撮影。

4.セルレアカトレア04。ルデマニアナ“ルティ”

セルレアカトレア。数種類生き残り。期待と失望の交錯。 セルレアカトレア04。ルデマニアナ“ルティ”
洋蘭集会で同席した事のあるカトレアマニア氏から電話案内。原種カトレアの世界誌に掲載は無いが「エンリケグラフ氏が譲ってくれた“ルティ”は、原産地蘭協会AMメダル入賞。ペタルは淡ブルーで筋を彩るヴェノーサ(筋脈)系。ブルーリップに染まる大輪整型個体。ルデマニアナセルレアの中で高位にある個体だと思う」。厭とは言えない。22年2月上旬、届いた苗は中位サイズ。1花茎2輪開花。やや日照不足のためか?薄い。ルデマニセルレアの満作株に付く花は、ぞっとするくらいセルレアの色彩が艶っぽく、存在感が輝くものだが、到着苗に付く花はそうでない。幸い、素焼き鉢+水苔植えであったため草勢回復は可能と思えた。水苔鉢増し。草勢向上を図ったたが、23年2月上旬、結果はいまいち。直ちに摘花処分。更に1年間栽り続けて、24年2月中旬、4花茎8輪開花。花茎硬く、支柱無しで花が自立できる。しかし、花容不十分。満作株に咲く“ルティ”はこんなものでないらしい。まだまだ、草勢強化が必要なようだ。
セルレアカトレア、ルデマニアナ“ルティ”:24年2月18日撮影。

5.セルレアカトレア05。ボーリンギアナ“アツミ”

セルレアカトレア。数種類生き残り。期待と失望の交錯。 セルレアカトレア05。ボーリンギアナ“アツミ”
冬から春にかけて花開くセルレアカトレアも遅咲きのルデマニアナ“シキシキ”を残して、01〜04紹介と似る同様なものになった。わざわざご紹介する意味は無い。パソコンを検索すると、過去に花咲いて楽しくさせてくれたセルレアカトレアが各種出てきた。その中で最も美観優れるセルレア種は、ボーリンギアナ“アツミ”である。写真の株は、入手した年、09年10月初旬、感激のうちに花開いた初花である。バルブ丈≒50cmに満たないミニスタイル。蘭つくり初期作品で、栽培未熟を知らせる以外の何物でもないが、ひいき目に見ると感激また新たになる。今は大きく育って、6号素焼き鉢で6株の大所帯になった。この種は大事に育てると、バルブ丈≒70cmに達し、成熟が進むと白粉を噴いて茎も葉も特異の美しさを呈する。夏には、ワルセヴッチセルレアの何品種かに花開くが、ボーリンギアナ“アツミ”に優る美しいセルレアは、冬咲き〜夏咲きを通して一つも無い。交配種、ポーチァ“タカギ”、パシフィクミッション“エボリューション”も、魅力とうてい及ばない。
セルレアカトレア、ボーリンギアナ“アツミ”我が家初開花:09年10月17日撮影。

6.セルレアカトレア06。ワルセヴッチセルレア“ラフロレスタ”OG

セルレアカトレア。数種類生き残り。期待と失望の交錯。 セルレアカトレア06。ワルセヴッチセルレア“ラフロレスタ”OG
21年10月上旬、洋蘭専門店通販で苗購入。「原産地由来のオリジナル株。“イタンゴ”とともにセルレアの超有名個体。輸入直後は100万円したといわれている希少個体でした。リツプが大きくブルーの色彩が印象的です」であったが、苗は小さく虚弱。22年開花みたが、案の定セルレアと言うよりモヤシ風。日照不足の栽培履歴が深く刷り込まれている。「ザクラシックカトレア」からワルセヴッチ記事(翻訳)。「多くの人は、ワルセヴッチをうまく育てられず、花も良く咲かない。良い花を咲かせたいのであれば、1月下旬から2月上旬のできるだけ早い時期から栽培開始。そのため、日当たりの良い場所に吊るし、晴れた日には霧かけをする。新芽が表われ成長し始めたら、霧かけを頻繁に行って、日に当て続ける。葉が温まり過ぎないよう、大量の空気循環をはかる」。教示に従って、直射、循環気流下に吊るして栽培2年。24年6月下旬、ようやくセルレアが表れた。花茎=2本、4輪。花径≒13cm。“ラフロレスタ”(花園)と呼ばれる訳がやっと分かった。
セルレアカトレア、ワルセヴッチセルレア“ラフロレスタ”OG:24年6月22日撮影。

開花期

わたしの育て方

毎春、デルフィニウム“ブルーバード”が美しい青色花で庭を彩ってくれる。女房は活け花を好むが、青色花に夢中になることが無い。庭先のハンカチノキ見物の来訪者に青色花を喜ばれる方が多い。「青色は男性の嗜好色」と言われる。桃色を主色にするカトレアには原種、交配種を問わず、皆無。薄藤色の個体をセルレアと呼んで珍重する。セルレアカトレアは、原種に少数あり、交配種に少ない。セルレアの有力交配原種は、ボーリンギアナであるが、株張り大きく、茎丈≒50cm以上に生育しないと良花が観られない。交配種ポーチァはやや小ぶりであるが、茎丈≒40cm以上。交配種マリーエリザベスもパシフィクミッションも、茎丈≒50cmを越さなければ良花は観られない。マキシマも色彩薄く、巨大化必要のハンデをもつ。ワルセヴッチも巨大系で茎丈≒40cm以上。トリアネ、ルデマニアナは、コンパクトだが桃色主色。セルレアは異端児であり、草勢虚弱揃い。「男性の嗜好色」に的中していないが、そこが狙い目。洋蘭専門店のカタログはバラに似て、骨董品取扱いのスタイルでマニアを夢中の世界に誘う。
現在生き残っている品種(名札転載)。ボーリンギアナ“アツミ”、トリアネ“スラ”、トリアネ“オホスアズレス”、トリアネピンセラタSIB、ルデマニアナ“ベロニカ”、ルデマニアナ“ルティ”、ルデマニアナ“シキシキ”、ルデマニアナ“ダークサイドブルー”、ワルセヴッチ“フロレスタ”、ワルセヴッチ“イソ”、ワルセヴッチ“イタンゴ”、ワルセヴッチセルレアSIB、マキシマ“ヘクタ”、ポーチァ“タカギ”、パシフィクミッション“エボリューション”
名札に日本語フリガナは付くが、説明標記は無い。
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