1.栽培環境について
2024/09/02
日照時間 16 時間、温度を23℃に設定した植物育成用インキュベーター内での、育成です。LED点灯時は27℃、消灯時は23℃となっております。
【本研究に用いた植物育成用インキュベーターについて】
以下の器具を組み合わせて、植物育成用インキュベーターを作成した。
(1)三菱電機エンジニアリング製クールインキュベーター(使用温度範囲3-30℃)
(2)3個口 延長コード 3m
(3)GREENSINDOOR製植物育成ライト(フルスペクトルLEDライト)
最奥壁面に貼り付けた。光量最大で、タイマーは未設定にした(最大8時間の点灯のタイマー設定しかなかったため)。
(4)リーベックス(Revex)製コンセントプログラムタイマー
この器具に植物育成ライト(3)に16時間通電のタイマー設定をした。これで、点灯オフは自動設定となったが、点灯オフは自動にならず手動で実施。
(5)SHENZHENSHI MINGFENGKEJI YOUXIANGONGSI製物育成ライト(フルスペクトルLEDライト)
左右壁面に貼り付けた。光量最大で、タイマーは16時間点灯。
2.移植に用いる親株のこと
2024/09/03
移植に用いる予定のムラサキミミカキグサ( ウトリキュラリア ウリギノーサ Utricularia uliginosa)は地上葉であり、イトイヌノヒゲ(Eriocaulon decemflorum)と一緒に生えており、ベランダの直射日光下に晒されていた。
3.親株からピンセットで引き抜いた移植用の葉
2024/09/04
親株からピンセットで葉の一枚を引き抜いたところ、白色の地下茎はほとんど千切れており、捕虫葉も付いていなかった(写真)。なお、白色の部位の長さは、緑色の部位の長さの3分の1程度であった。移植のために、この状態の葉を10枚準備した。
4.鉢への移植を完了 そして栽培開始
2024/09/04
(1)素焼きの植木鉢(2.5号)の底に小さく切った三角コーナー用水切りネットを敷き、底から順にパーライト、鹿沼土、ピートモス、乾燥水苔を敷き詰めた。
(2)水道水1Lに、テトラ コントラコロライン プラス ミネラルを0.2mL、テトラ ブラックウォーターを0.5mL、植物活力素メネデール10mLを入れて、よく撹拌した後、1の鉢に、20mLピペットを用いて、少しずつ溶液500mL分を鉢の培養土の上部に流し込んだ。
(3)500mLビーカーに、この鉢をセットし、2の溶液で腰水をして、親株の鉢から採取した土壌を少し散布した後、準備した葉10枚を移植した。
(4)カビの発生を防止するために、カビ食のアヤトビムシ科のトビムシ(別容器で培養中)を30匹入れて、彼らの餌としてエノキタケを入れた。
(5)コンパニオンプランツとして、ウトリキュラリア sp. ”パラオ”、ピンギキュラ ルシタニカ、およびウトリキュラリア ネルンビフォリアを中心部に植えた後(写真)、上部をラップで多い、植物用インキュベーターに入れて、栽培を開始した。
5.ミミカキグサも!
2024/09/05
開花期
わたしの育て方
ムラサキミミカキグサ(ウトリキュラリア ウリギノーサ Utricularia uliginosa)は、通常、毎年、花が咲き、種子が出来て、その種が別の鉢にまで散らばり、冬は枯れて種子で冬を越し、芽が出て、管理せずとも毎年どこかの鉢で育ってゆくので、放任栽培が可能な種です(文献1)。ゆえに、多年生栽培の可能性があっても、無理にそうする必要がありません。
しかし、ピカーンと何か閃いて、冬に実験をしたいと思っても、株が無ければ、仕方がありません。そこで、一年中、株を維持するべく、その挑戦を始めました。
サハラ砂漠のラクダなど〜 水を飲まずに旅をする〜 百や二百のつまづきじゃ〜 望み捨てない諦めない ふふっ ふふっ 今に見てろ〜 ふふっ ふふっ そこぢから〜
https://www.uta-net.com/song/39496/
文献1
田辺直樹(2010)食虫植物の世界―420種 魅力の全てと栽培完全ガイド, エムピー・ジェー, ISBN 9784904837047
この植物を育てたきっかけは、なぜ、本種が放任栽培がなされているほど、タフなのかを明らかにしようと考えているからです。