古株ユーチャリスを再び咲かせる

uesugi
uesugiさん
成功談
植物名 ユーチャリス
品種名 ユーチャリス・グランディフローラ
地域 京都府 場所 ベランダ 栽培形態 鉢植え
日当たり 明るい日陰 満足度
ジャンル

栽培ストーリー(わたしの育て方レポート)

古株ユーチャリスを再び咲かせる

古株ユーチャリスを再び咲かせる

作成日:2014/06/24
最終更新日:2015/05/17

長年よく咲いていたユーチャリス(↑の画像は2011年夏)、いつのまにか咲かなくなって、大きな葉っぱだけの観葉植物になっていました。

そんなユーチャリスを再び咲かせるため、ネット検索した情報などをもとに試行錯誤でやってみます。

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  • 最後の花

    1

  • 5月23日 植え直し

    2

  • 6月6日 枯れ落ちる

    3

  • 6月8日 深さ調整

    4

  • 7月2日 新葉

    5

  • 7月9日 つぼみ

    6

  • 7月19日 開花

    7

  • 7月21日 開花2

    8

  • 2月28日 蕾

    9

  • 4月7日 春の開花

    10

1.最後の花

古株ユーチャリスを再び咲かせる 最後の花
最後に花が咲いたのは2012年の夏、でも写真に撮っていたのは蕾だけ…。いつしか咲くのが当たり前になっていて、ありがたみが薄れていたんでしょうか。

いなくなって初めてわかる親(妻・夫・友人)の有り難さ、みたいなもんですね。

本腰をいれて、もう一度やりなおしましょう。

2.5月23日 植え直し 注目!

古株ユーチャリスを再び咲かせる 5月23日 植え直し
インターネット検索で見つけた学術誌のユーチャリス研究論文を参考にして、葉切り・分球・植え直しをしたところです。

かなり勇気がいりましたが、思い切ってバッサリいきました。

3.6月6日 枯れ落ちる

古株ユーチャリスを再び咲かせる 6月6日 枯れ落ちる
葉切りで残した葉柄がすっかり枯れて、水っぽくブヨブヨになっています(腐ってはいない)。

でもこれは想定内。参考にした文献にも、残した葉柄が枯れて新葉が出てくると書いていたので、慌てません。

ただしちょっと深植えすぎた気もするので…(続く)

4.6月8日 深さ調整

古株ユーチャリスを再び咲かせる 6月8日 深さ調整
(…続き)枯れた葉柄は取り除き、根鉢は崩さずに球根の肩が少し出るくらいの深さに調整しました(最初からそうしとけ>自分)。

球根の首の部分や球根自体は指で押してもしっかりしていて、葉柄が枯れたのは球根が腐ったからではないことが確認できました。

参考文献によると、定植の40日後に半数の球根に新葉が出ていれば、開花率の高い順調な生育ということになるようです。予定では7月上旬、果たして…?

5.7月2日 新葉 注目!

古株ユーチャリスを再び咲かせる 7月2日 新葉
予告どおり、定植(分球/葉切り/植え直し)からちょうど40日が経ちました。5球のうち3球からはもう元気な新葉が伸びてきています。

あとの2球からも、よく見ると小さな小さな緑の芽が見えていますが… あれ!? 芽先が割れている!?

もしかして、もう花芽??

6.7月9日 つぼみ

古株ユーチャリスを再び咲かせる 7月9日 つぼみ
割れた芽先は、やはり蕾でした。5球のうち、3球から花茎が伸びてきています。夏の花は諦めていたのですが…、うれしい誤算です。

そういえばユーチャリスはヒガンバナ科。彼岸花のように葉っぱがなくても花が咲きやすいのでしょうか。

7.7月19日 開花 注目!

古株ユーチャリスを再び咲かせる 7月19日 開花
本当に咲いてしまいました。咲くもんですねぇ、葉っぱ全部切って植え直してから2ヶ月足らずなのに…。(まだ半信半疑)

花茎1本あたり6~7個の蕾がついているので十分な花数です。未熟な球根を無理矢理咲かせた感じではありません。

思いがけない夏の開花ですが、これ、冬は冬でまた咲いてくれるのでしょうか。いま花茎の出ていない2球にも期待したいですね。

8.7月21日 開花2 注目!

古株ユーチャリスを再び咲かせる 7月21日 開花2
窓辺に置くと部屋の中に素晴らしい香りが漂います。

草丈63cm(葉の高さはまだ22cm)くらいです。

9.2月28日 蕾

古株ユーチャリスを再び咲かせる 2月28日 蕾
約20℃で花芽分化するため、一般家庭では真夏か真冬に咲きやすいユーチャリス。

夏に咲いてしまったので冬はやっぱり咲かないかと諦めていたら、今頃花茎が1本伸びてきました。夏に咲かなかった2株のうちの1株かもしれません。

それにしてもまた子球が殖えたようで、株元が込み合ってきています。このまま今夏も咲いてくれるでしょうか…?

(まぁ咲かなかったら、また子球はずしと植え替えをしましょう)

10.4月7日 春の開花 注目!

古株ユーチャリスを再び咲かせる 4月7日 春の開花
無事咲きました。室内でもこの桜の季節に咲いたのは初めてです。

花茎1本に蕾が5個ついて、2輪はすでに咲き終わり、今は3輪が同時に咲いています。夏の開花時よりも気温が低いので花もちは良いです。ベランダに出るときそばを通ると、ふわっと香ります。

ということで、これで今回のユーチャリスの「そだレポ」は終了します。

開花期

わたしの育て方

※以下は一般的なユーチャリスの育て方というより、「咲かなくなってしまったユーチャリスを再び咲かせるための育て方」なので注意。

原則、最初に球根を購入した通販会社(サカタのタネ)からもらっていた栽培方法のリーフレットをベースに、自分の栽培経験とネット検索で閲覧した学術論文をもとにして、改変しています。

改変の特に重要なポイントは、植え替え時の“分球(子球はずし)”と“葉切り”です。

【栽培環境】
明るい半日陰。6月から9月の直射日光は避けます。冬は10℃以上(最低の限界は5℃)を保てる室内の窓辺で、薄いレースのカーテン越しの日光によくあてます。日陰で徒長すると咲きにくくなるので注意。

【水やり】
鉢土の表面が乾いてからたっぷり。冬は水やり控えめ(葉がやや垂れるほど鉢土がしっかり乾いてからたっぷり水やり)。

【肥料】
施肥量は開花率に直結するらしく(後述の参考文献による)、ユーチャリスはどうやら“肥料食い”だと思っておくのがいいみたいです。

植え付け/植え替え時に元肥として、緩効性の化成肥料を規定量(市販の元肥入り培養土を使う場合は追加不要)。追肥には春・秋の生育期間中、10日おきに規定希釈した液肥を与えるほか、2~3ヶ月おきに緩効性化成肥料を置肥します。

なお、晩秋から晩春は室内栽培になるので、虫がわきやすい有機質肥料は避けるか、室内へ入れる前に取り除ける置肥にします。

【病気と害虫】
大きな葉にカスリ状の濃淡ができたり、葉が葉脈の方向とは直角になる方向に山なりに強く反るような症状が出ている場合、葉裏にハダニやカイガラムシがついていることがあります。“花き類”で登録のある薬剤を散布するか、濡れ雑巾で葉裏を数日ごとにこまめに拭き取ります。

病気はとくに気になったことはありませんが、殖やした株では植え替えによる植え傷み(生理障害)で生育が止まり、枯れたこともあるので注意します。

【用土と鉢】
市販の草花用培養土。または「赤玉土(中粒)6:腐葉土2:完熟堆肥3」の割合で混合した土でもいいようです。未熟な腐葉土や堆肥だと室内でコバエ(キノコバエ)がわきやすいので注意。

深型6号鉢に2~3球(または深型の8号鉢に4~5球)が目安。生長すると葉長が約40~50cm、株張り約80cm~1m、開花時の草丈は60cmほどになるため、5号以下の鉢は避けます。また、球根植え付けの初年度は葉が1~3枚しか出ないので、1鉢に1球植えだと開花時の見栄えがしません。

【主な作業】
・植え付け/植え替え
球根の肩が少し出る程度に浅く植え付けます。ユーチャリスは基本的に植え替えによる根傷みを嫌い、生育が半年以上も止まったり(後述)最悪枯れることもあった(自分の経験)ので、子球が増えて花が咲かなくなるまでは植えっぱなしにしておきます。

・分球(子球はずし)と葉切り
植えっぱなしで2~3年経つと、子球が増えて葉も徒長し、花が咲かなくなります。そこで春5月に植え替えをかねて分球と葉切りを行います。根を傷めないよう古い土は丁寧に落とし、大きな球根だけを選んで、子球はすべて取り除きます(小さな子球も付け根で折り取る)。同時に、すべての葉は葉柄を10cmほど残して切り取ります。それから必ず新しい培養土で植え直します。(この葉柄は10日ほどで枯れ落ち、そのあと新葉が2~3枚展開して開花に至る)

もし分球と葉切りをせず、ただ植え替えを行った場合、その後の生長が非常に遅れて花が咲かなくなるという研究があります(※)。また新しい培養土を使うのは、子球を外した切り口や植え替えで折れた根の傷口から病原菌が入り込むのをできるだけ防ぐためです。

(※)
参考文献:北川 勉 , 小山 博之 , 原 徹夫「球根の定植法と施肥量がユーチャリス・グランディフローラの生育と開花に及ぼす影響」日本土壌肥料學雜誌 66(4), 411-414, 1995-08-05
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