大人気ガーデナー天野麻里絵さんが愛する、バラとの相性抜群&庭の頼れる植物とは【私の植物偏愛記・6月号こぼれ話】
おなじみの講師の方々に、愛する植物を思う存分語っていただく連載「私の植物偏愛記」。『趣味の園芸』6月号では、ガーデナーとして活躍する天野麻里絵さんに、バラへの愛を語っていただきました。
バラと切磋琢磨するかのように、植栽の腕を磨いてきたという天野さん。ガーデンで扱う多種多様な植物のなかで、バラ以外にも特にお気に入りの植物があるのだとか。ウェブだけで読めるこの「こぼれ話」では、天野さんイチ推しのガーデン・プランツを紹介していただきます!
【天野さんのイチ推し①】バラとの相性も◎ オダマキ
これまで、さまざまな植物を紹介する機会をいただきましたが、今回のバラのように「好きな植物」というテーマでお話しできる機会は意外にないものです。どの植物もそれぞれに魅力的ではありますが、せっかくの機会なので私が特に好きな植物をいくつかご紹介します。
まずおすすめしたいのがオダマキです。とにかくこの花を見てください! こちらは'ノラ・バロー'という品種です。色合いも、華やかな花形も、うつむき加減に咲く姿もかわいらしいですよね。
「バロー」シリーズはブルーやブラックなど花色も豊富で、おすすめです。
オダマキ'ノラ・バロー'(写真提供/天野麻里絵)
うつむき加減に咲く'ブルーバロー'(写真提供/天野麻里絵)
オダマキは、葉の形もかわいらしいです。黄色い斑が入る'レクチャム・ゴールド'のように、葉色を楽しめる品種もあります。
3月上旬の'レクチャム・ゴールド'(撮影/田中雅也)
'レクチャム・ゴールド'の花(写真提供/天野麻里絵)
単体でも花や葉を観賞するだけで十分に楽しめるオダマキですが、ガーデンでも大活躍してくれます。
こんもりと茂った葉の中から、花茎がすっと立ち上がって花が咲きます。6月号でも紹介したように(p.140参照)、花壇の手前側に植えた草丈の低い草花よりも高い位置で咲いて、奥の景色まで視線を誘導する役割を担ってくれるのはありがたいです。開花期も合いますし、バラとの相性もばっちりですよ。
手前のギボウシやチューリップ、スイセンなどより高い位置に顔を覗かせて咲く'レクチャム・ゴールド'。(写真提供/天野麻里絵)
オダマキやデルフィニウムが、奥の白いバラへと視線を誘導してくれる。(写真提供/天野麻里絵)
【天野さんのイチ推し②】庭の「すき間」をカバー アジュガ
もう一つ、アジュガもおすすめしたいです。地面を覆うグラウンドカバープランツとして、各所に植え込んでいます。庭のすき間をカバーしてくれる、頼れる植物です。葉色を楽しめるものも多く、カラーリーフとしても庭の景色の彩りに活躍します。花が咲く4月は、葉色とのコントラストも美しく一番の見ごろを迎えます。
地面をカバーするアジュガ'バーガンディグロー'。4月に咲く可憐な花も魅力。(写真提供/天野麻里絵)
おすすめの品種は'バーガンディグロー'。グリーンの葉にホワイトや紫、ピンクの美しい斑が入ります。青紫の花が咲くとより繊細な表情になります。
'ライムブルー'もおすすめです。春の新緑は鮮やかなライムイエローで、輝くような美しさです。ブルーの花とのコントラストも目を引きます。
写真右側が、各色入り混じる複雑な斑が美しい'バーガンディグロー'(写真提供/天野麻里絵)
オダマキもアジュガも、ほかにもおもしろい品種がたくさんあります。みなさんもお好きな品種を探して、ぜひお庭に植えてみてください!
撮影協力/花遊庭
天野麻里絵(あまの・まりえ)
愛知県豊田市のガーデニングミュージアムでヘッドガーデナーを務める。植物の特性を生かした、繊細で表情豊かな庭づくりに定評がある。1年を通じた植栽計画は美しく緻密。「みんなの趣味の園芸」で日記を更新中。
『趣味の園芸』連載 「私の植物偏愛記」(2024年4月号~)
本誌で活躍する講師のみなさんに、「愛好家」としてのお話を聞いていきます。「こんな植物が好きだったのか」と意外な側面を発見しつつ、植物に対する熱い思いもたっぷり教えてもらいましょう。
6月号掲載・第3回では、天野さんが大好きなバラについてお話を伺いました。上の写真は、天野さんが手がけるガーデンで春を待つ、「ニュー・イマジン」と。「みんなの趣味の園芸」で募集したみなさんからのバラの写真も、天野さんのコメントとともにご紹介しています。テキストでご覧ください!
『趣味の園芸』2024年6月号
改めて知りたいアジサイ栽培の基本、最新品種、今年行きたいアジサイ名所からヤマアジサイまで。 この時期頼りになるカラーリーフで、庭の日陰を明るく心地よい空間に一変させる方法も紹介。盛夏の宿根草ガーデンにおすすめのフロックスにも注目。「猛暑に勝つ!」シリーズ、アジサイ苗の読者プレゼントも!
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