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バラ栽培は、完璧じゃなくて大丈夫。Youtubeでも大人気の松尾祐樹さんにインタビュー『はじめてのバラ 気軽に楽しく満開に!』発売記念

バラ栽培は、完璧じゃなくて大丈夫。Youtubeでも大人気の松尾祐樹さんにインタビュー『はじめてのバラ 気軽に楽しく満開に!』発売記念
(撮影/田中雅也)

京都市にある総合園芸店の4代目で、ポピュラーな草花からバラをはじめとした専門性の高い植物まで熟知する園芸家の松尾祐樹さん。特にバラの楽しみ方・育て方をわかりやすく解説する語り口に定評があり、YouTubeチャンネル「ガーデンちゃんねる」も大人気です。4月16日に発売された、待望の著書『NHK趣味の園芸 はじめてのバラ 気軽に楽しく満開に!』を記念して、松尾さんにインタビュー。バラの楽しみや、本書への思いについて伺いました。

 

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完璧じゃなくても大丈夫! ほどほどのお手入れで、はじめてでも無理なくバラを楽しむためのコツを丁寧に解説した『NHK趣味の園芸 はじめてのバラ 気軽に楽しく満開に!』(NHK出版)。初心者でもわかりやすいよう難しい言葉を極力排除し、お手入れのポイントが変化する季節ごとに、管理方法を解説している。人気連載「教えて松尾さん!はじめてのバラ」にたっぷり情報を加えて単行本化。

詳しい内容はこちら >

 

バラと向き合い、手をかける時間を楽しむ

 

バラは多くの育種家の方々の努力によって、この10年で大きく進化しました。病気に強くなり、栽培の負担がかなり軽くなっています。植え替えや剪定、誘引など必要なお世話はありますが、例えば剪定や誘引は、来年はどう咲かせようかとイメージをふくらませてバラと向き合えるときでもあります。今のバラは「手間がかかる植物」ではなく、手をかける時間を楽しめる植物なんです。 

 

そんなバラとの向き合い方を、この本では春・梅雨・夏・秋・冬~早春の5つの季節に分けて解説しました。気温や雨の量などの気候の変化によって、お手入れのポイントも変わってくるからです。 

例えば春の花が咲き終わり、雨が多くなる梅雨どきは、1年のうちで最もバラがよく成長するとき。この時期に順調に生育できるかどうかが、その後を大きく左右しますが、同時にバラの大敵である黒星病が発生しやすい時期でもあります。入れ代わる新しい枝を育てるために、病気をなるべく抑えて葉を守ることが、ポイントになります。

どうやってお手入れするかだけでなく、どうして必要なのかも、本書ではなるべくわかりやすく説明したつもりです。

 

失敗にやさしい「半つる性」がおすすめ

 

これから育てる方には、半つる性のタイプをおすすめしたいです。半つる性のバラには耐病性の強い品種がたくさんあるうえ、病気で葉が落ちてしまったとしても、新しい芽が出てくる強さがあるんです。半つる性は、病気になりにくい性質と病気になっても回復しやすい性質をあわせもつ、失敗にやさしい初心者向きのバラといえます。 

 

バラ栽培の醍醐味には、理想の姿かたちを目指して樹形をデザインできることもあります。半つる性のバラは、大きくなりすぎないので鉢植えでも育ちますし、壁に這わせたり、アーチに登らせたりと、庭のロケーションに合わせて仕立てることもできます。育てる人それぞれに、寄り添ってくれるよさがあるんです。

本書ではラティスやオベリスク、アーチにフェンスと、さまざまな構造物に仕立てる方法もていねいに紹介しました。また、剪定や誘引のコツを動画で見られるようにもしました。ぜひお役立てください。 

 

自然と向き合うバラ栽培はうまくいくときばかりではありません。お伝えしたいのは「完璧じゃなくても大丈夫」ということ。うまくいったり、いかなかったりも含めて、バラ栽培を楽しみ、バラと触れ合う喜びが深まっていく。この本がその手助けになるとうれしいです。

 

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半つる性のバラ「レイニー・ブルー」。オベリスクやトレリスにコンパクトに誘引すれば、小さなスペースでもバラいっぱいの風景に。

 

春はバラ生活をスタートするのにおすすめの季節です

 

春はご近所の庭先や街角、公園でバラが咲き始め、園芸店やバラ専門店にも、蕾や花のついたバラ(開花株)がたくさん並びます。店頭で実際に花を見たり、香りを確かめたりしながらバラを選べる貴重なシーズンです。

憧れのバラ生活はバラを買うことからスタート! お手入れのしがいのある好みのバラを探しましょう。

 

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左は1年目の冬、右は2年目の春に開花した様子。

 

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3年目の春はこんなに咲く!

写真のバラは「ダム・ドゥ・シュノンソー」。サーモンピンクの華やかな花色が魅力。耐病性が強く、花数が多く花もちもよい。鉢栽培でも豪華なつるバラとして楽しめる。

 

(撮影/田中雅也)

 

*本インタビューは『趣味の園芸』2024年5月号に収載された記事を加筆・再構成したものです。

 

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松尾祐樹(まつお・ゆうき)/園芸家

京都・洛西の総合園芸店「まつおえんげい」の4代目。ポピュラーな草花からバラをはじめとした専門性の高い植物までさまざまな植物を熟知。特にバラの楽しみ方、育て方をわかりやすくていねいに解説する語り口には定評があり、YouTube チャネル「ガーデンちゃんねる」でも大人気。各地でバラの講演なども行う。

 

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NHK趣味の園芸 はじめてのバラ 気軽に楽しく満開に!

著者:松尾祐樹/定価:1,760円(本体1,600円+税10%)/AB判並製/128ページ(オールカラー)/2024年4月16日発売

内容を見る >>

 

NHK出版
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▼『趣味の園芸』5月号は、バラの総力特集!

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『趣味の園芸』2024年5月号

906人の愛を集めてバラの総特集! みんなで選ぶ最愛品種、いま知りたいバラの基本や栽培法、一緒に解決するバラ問題、宿根草やグラウンドカバーとの楽しみ方など、64ページの大ボリュームでお届けします。バラ苗の読者プレゼントも! 「猛暑に勝つ!」シリーズ、秋まで長く楽しむ花壇づくり、ほか。

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趣味の園芸から生まれた「バラの本」 >

NHK出版から刊行されている、バラ栽培に役立つ本や、植物に関する本をご紹介します。

 

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