大事な株の1年を決めるのは、今!酷暑を乗り切るクリスマスローズ栽培の新常識
まだ花の少ない冬から初春の時期に美しく咲くクリスマスローズ。基本的にはとても丈夫で、初心者でも毎年美しい花を咲かせられます。しかし、夏も夜温が15℃程度という地中海沿岸生まれだけに、昨今の酷暑は少々苦手。昨年の夏には、「大切な株を枯らしてしまった」という声が多く寄せられました。
「この状況を克服するには、栽培の常識を変えることが必要!」と訴えるのが、クリスマスローズ栽培の達人、野々口 稔さん。原生地をたびたび訪れ、自らも多くのクリスマスローズを栽培する経験から生み出した「新常識」の数々を『趣味の園芸』2024年2月号で初公開しました。少しの手間でできる手軽なものばかりなので、ぜひ実践して元気で美しい花を毎年咲かせましょう。その中から一部を抜粋して紹介。
【新常識】購入後、すぐに株の植え替え、植えつけ
最初の夏越しのポイントは、購入後すぐの植え替え。特に鉢植えの場合、従来は3月中旬まででしたが、最近は暑さが前倒しに。植え替えで弱った根が暑さに当たると、病気や虫害のリスクが高まります。そこで、本格的な暑さがくる前に株を充実させるため、購入後すぐに植え替えを済ませるのがコツ。土は、野々口さん新提案の安心ブレンドにすれば、排水性・通気性がさらにアップします。
【新常識】春、早めに花を切って、大きく育てる
花を長く残しておくと株の充実が遅れ、秋に新葉が多く展開して翌年の花つきが悪くなります。特に、購入した株は早めに切って、成長のための養分を蓄える新葉を育てましょう。作業は晴天の日を選び、新葉を傷つけたり、切ったりしないように注意します。
「今年初めて、クリスマスローズを育てます」「夏の暑さで、株を枯らしてしまいました」そんなみなさん、どうぞご安心ください。クリスマスローズを愛してやまない野々口さんが日々、研究と実践を重ねた栽培成功のハウツーを2月号でたっぷりとご紹介しています。みんなで、株を元気に育てましょう。
野々口 稔(ののくち・みのる)
「HELLEBORUS倶楽部」代表。クリスマスローズの原生地を数多く訪れ、原種の分布状況、生育環境などを研究。講演や著作などを通し、クリスマスローズの楽しみ方や栽培方法を普及。『NHK趣味の園芸12か月栽培ナビ②クリスマスローズ』(NHK出版)など著書多数。
『趣味の園芸』2024年2月号 「1年ずっと元気でいてね 新常識のクリロー栽培」より
▼この号に掲載されています
今年のクリスマスローズ特集は、店頭やネットで手が届くおすすめの花々、酷暑も乗り越えられる最新の栽培法、葉や大株に注目した育て方など、たくさんの楽しみを詰め込んでお届けします。注目特集ではジュエルオーキッドを取り上げます。稲垣吾郎さんの「グリーンサム」は小さなラン。杉山拓巳さんの観葉植物栽培Q&A、盆栽ほか。