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「猛暑に勝つ!」夏に備えるメンテナンス 切り戻し・水やり・除草・施肥のポイントを紹介

「猛暑に勝つ!」夏に備えるメンテナンス 切り戻し・水やり・除草・施肥のポイントを紹介

真夏の暑さに負けない植物の選び方や育て方の集中講義をお届けするシリーズ「猛暑に勝つ!」。「趣味の園芸」では、放送とテキストで伝えきれなかったノウハウをお伝えするオンラインセミナーをこれまでに2回開催しました。

次回セミナーは、7月21日(日)開催! 詳細はこちら >

 

6月16日に行われた第2回のセミナーテーマは「今が大事!夏に備えるメンテナンス」。講師は園芸家の杉井志織さんと、ガーデナーの永江晴子さん、司会はコミュニティガーデンアンバサダーの東方陽子さん。猛暑に負けないお手入れ術のポイントなど、セミナーに参加いただいたみなさんからの質問に答えながら、たっぷり2時間かけてお伝えしました。その中から、夏に備えるメンテナンス術について、いくつかのポイントをご紹介します!

 

【夏に備えるメンテナンス】切り戻し

 

一年草も宿根草も、今が切り戻しの時期です。すっきり風通しをよくして、蒸れによるダメージを防ぎます。

 

●一年草の切り戻し

「猛暑に勝つ!」シリーズでおススメしている品種の多くは、セルフクリーニング機能があり、切り戻し不要とされています。ただそうした品種でも、真夏~秋のパフォーマンスを上げるため、この時期に切り戻すことは有効です。

蒸れを防ぐだけでなく、切り戻しをすることで枝の数がふえ、花つきがよくなります。花つきは肥料でなく、枝の数で決まるからです。

なお、ジニア プロフュージョンの場合、切り戻すというより、古い花を枝ごと切ります。セルフクリーニングで古い花の上に新しい花が上がってくるのですが、ハイシーズンを迎える前の早い時季は、古い花を摘むことで株が疲れないようにするのがおススメです。

 

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ジニア プロフュージョン

第1回セミナーで紹介した、杉井志織さんイチオシの一年草はこちら >

 

●宿根草の切り戻し

株が込み入っているときは、株と株の間に風が通るよう、部分的に切り戻します。

花の咲いた後は、カラミンサ、ガウラ、アガスターシェ、ルドベキアなどは、株全体の1/3を残す程度、強めに切り戻しします。タイミングは花が見ごろを迎えて10日後くらいが目安です。

ただしアガスターシェは、真夏に強い切り戻しをすると枯れてしまうことがあります。暑い時期は花がらを落とす程度にとどめ、強く切り戻すのは涼しくなってからにしましょう。

一方、ガイラルディアやオミナエシ、トウテイランなどは、切り戻しは不要です。

 

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アガスターシェ

第2回セミナーで紹介した、永江晴子さんイチオシの宿根草はこちら >

 

【夏に備えるメンテナンス】水やり

 

一年草も宿根草も、水やりはメリハリが大事です。

 

●株元に水やり
水はお花の上からかけず、株元に優しい水流で。泥はねを防ぐためです。杉井さんのおススメは長めのシャワーヘッドをホースの先に着けること。しゃがまずに株元に水やりできるので、作業がとても楽になります。

 

●「たっぷり」とは?
「たっぷり」の水量は、多くの方が思うより多いです。講習会などでは、杉井さんは「水が土にしみこむスピードを見て、しみこみにくくなるまで」と伝えるそうです。永江さんは「水たまりが出来るまで。それをを2回、夏は3回」と伝えています。
ボランティアの皆さんにアドバイスをする機会が多い東方さんは、「ゆっくりと10数え終わるまで」と、手書きのイラストで説明しつつ伝えるそうです。

植えつけ直後は、特にたっぷり。根は水を求めて動きます。土中深くまで水を浸み込ませることで、根は水を求めて深く張っていきます。根が張れば水切れに強くなり、メンテナンスも楽になります。

 

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東方さん手書きのイラスト(協力/NPO法人GreenWorks)

 

●土を乾かすことも大事
地植えの場合は、真夏でも毎日の水やりがマストではありません。「土が乾いたら水やりする」が基本です。
植物は水を求めて根を伸ばすので、水をやりすぎると根張りが弱くなります。さらに水が多すぎると植物が徒長し、倒れやすくなります。水やりはスパルタ式がおススメです。

 

【夏に備えるメンテナンス】除草

 

●地下茎で増えるものには要注意!
ドクダミやヒルガオ、ヤブガラシ、スギナ、イネ科のチガヤなど、根を残しておくと地下茎でどんどんふえてしまうものは要注意。優先的に除草しましょう。
全てをきれいさっぱり草取りするのは大変なので、「今日はドクダミ・デー」などと、1~2種に絞った"選択的除草"がおススメです。

 

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ドクダミは優先的に除草しておきたい

 

●タネをつける前に除草する
ドクダミやイネ科の雑草など、タネがつく前に除草することが大切です。

                              
●抜き取らずに、刈るだけも選択肢
根こそぎ抜き取るのはやめて、刈り取るだけにするのも、暑い夏にはおススメです。
地表を草で覆っておけば、グラウンドカバーになって地温を下げたり、乾燥を防ぐ効果もあります。

 

【夏に備えるメンテナンス】施肥

 

一年草と宿根草で、肥料のやり方は違ってきます。

 

●一年草の施肥
最近の一年草は連続開花するものが多く、夏の間も次々に開花する品種は、肥料を切らさないことが大切です。また、切り戻して枝数や花数を増やせば、その分肥料が必要となります。夏の間も液肥、もしくは効果が2か月ほど続く化成肥料を与えましょう。

 

●宿根草の施肥
植えつけ時に元肥をしっかり与えておけば、夏に追肥する必要はありません。
肥料をあげるとすれば、秋以降で十分です。

 

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講師/杉井志織(すぎい・しおり) 園芸家

庭の植栽設計、花壇管理、花壇ボランティア運営の指導、フラワーショーのイベント装飾などで活躍。草花全般の栽培、最新品種の情報に精通。ビギナーにもわかりやすい語り口で人気が高い。監修に『らくちんガーデニング 12か月の魔法 無理なく続ける庭しごと』(NHK出版)など。

 

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講師/永江晴子(ながえ・はるこ) ガーデナー

横浜市の公園管理に11年間携わり、園芸ワークショップの経験も豊富。養蜂を行って「はち育」に取り組み、蜜源ガーデンのプランづくりも得意としている。

 

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(撮影/安部まゆみ)

司会/東方陽子(とうほう・あきこ) コミュニティガーデンアンバサダー

公共のコミュティガーデンや公園の花壇など、市民の緑化活動をサポートし、地域で実践できる人材を育てるNPO法人GreenWorksなどで活動。

 

「猛暑に勝つ!」オンラインセミナー 今後の予定

 

「猛暑に勝つ!」セミナーは、あと1回開催されます。講師の杉井さん、永江さん、そして司会の東方さんの3人で、猛暑に負けないガーデニングの技の数々を紹介しつつ、みなさんからの質問にどんどん答えていきます。体を冷やすファッションや、水やりを楽にする自動かん水など、真夏のガーデニングが楽しくなるノウハウ満載になりそうです。

 

〇第3回「頑張らないでも、すてき♡」

2024年7月21日(日) 14:30~16:30

詳細はこちら>>

申込:NHK文化センター青山教室:趣味の園芸オンラインセミナー「猛暑に勝つ!」第3回 頑張らないでも、すてき

 

※本セミナーは「みんなの趣味の園芸」のイベントではありません。お問い合わせは、申し込みページに記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

 

趣味の園芸テキスト最新号

 

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『趣味の園芸』2024年7月号

観葉植物と仲よく暮らすための大特集! ずっと美しく育てていくためのノウハウやレスキュー法、サイズ別おすすめ品種や、お手本となる暮らし方も紹介。夏の環境が変わりつつある今、秋に花を楽しむアサガオとヒマワリの新提案、「猛暑に勝つ」「グリーンサム」では真夏の園芸アドバイスをお伝えします。年々人気が高まっている南半球プランツの栽培のコツも。

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