『源氏物語』に登場する花　桔梗（ききょう）

（撮影／上林徳寛）

大河ドラマ「光る君へ」の主人公、紫式部。｢趣味の園芸」では、番組後半のミニコーナーで『源氏物語』に登場する植物についてご紹介します。8月18日（日）の放送では、桔梗（ききょう）について取り上げます。『趣味の園芸』8月号より、一部抜粋してお届け。

高貴な紫色の花なのに、なぜか登場は1回のみ!?

100種類を超える植物が登場する『源氏物語』ですが、キキョウが登場するのは、1回のみ。それも庵（いおり）の垣根に咲く秋の花の一つとして描かれています。

女人の例えにしてもよいような高貴な紫色の花が咲くキキョウですが、なぜ1回しか登場しなかったのか？

監修の松谷茂さんは、「フジなどと違って、キキョウは咲いている位置が下のほう。一般の人が見下ろす花を姫君などに例えることはせず、野の花と同列の垣根に咲く花の一つとして扱ったのでは。作者・紫式部としては、心の片隅では気にはしていたけれど取り上げずにごめんなさい、という意を込めて記述したんじゃないか」と考察しています。

キキョウは東アジアに広く分布する多年草です。日当たりのよい草原に見られますが、国内ではそのような場所が激減したため絶滅危惧種になっています。

監修／松谷 茂（京都府立植物園名誉園長）

京都府立植物園にて4年連続で公立総合植物園における年間入園者数日本一を達成。同植物園初の名誉園長に。園内での「源氏物語に登場する植物ツアー」が好評。

▼放送予定

「趣味の園芸」乙葉 グリーンサムへの12か月　⑤涼やか爽やか！アクアリウム

ミニコーナー：源氏物語の花⑧

放送　8月18日（日）午前8:30～8:55 Eテレ

再放送　8月23日（金）午後2:10～2:35 Eテレ

趣味の園芸 番組ホームページ（NHK）＞

※特別番組などにより、放送が変更・休止になる場合があります

▼この号に掲載されています

『趣味の園芸』2024年8月号

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