宿根草は小さなスペースでも楽しめる!立体的に組み合わせて見どころをつくろう
宿根草は大株に育つから狭いスペースでは無理では? 小さな庭で花のない時期が長いとつまらないかも? 宿根草を育てたくても不安なことはありますね。お店のサンプルガーデンとして小さな庭で宿根草を育てている杉山 洋さんと真奈美さんに、どんな工夫をして宿根草を楽しんでいるのか教えていただきました。『趣味の園芸』9月号より、一部を抜粋してお届けします。
秋はチャンス! 空きスペースに植えてみることから始めよう
宿根草の育った姿をお客さまに見ていただいて、私たち自身も楽しみたくてサンプルガーデンを始めました。とはいえ、売り場との兼ね合いで、塀際などの奥行き40cmほどの狭いスペースを利用しています。大きく育ってしまったものも切り戻しで対処できますし、狭いスペースではコンパクトに育ってくれるものもあります。
宿根草は、秋に植えると翌春に植えたものとは株の大きさや花数に違いが出ます。だから今が植えつけのチャンス! 空きスペースがあったら1株でも植えてみましょう。腐葉土を少し加え、よく耕して植えると水はけがよく、根が育ちやすくなります。
狭いからこそ、立体的に楽しもう!
シーズンごとに植え替える一年草に比べると、宿根草は植えっぱなしで手間がかかりません。ただし、何年も育てるので、最初の植物選びが大切です。環境に適していることはもちろん、狭いスペースには大きく育つものや草姿が暴れるものは向きません。去年植えたハーブのフェンネルは想定以上に大きく育ち、たびたび茎葉を切り戻すことになりました(汗)。
狭い場所で見どころをつくるためには縦の空間を生かせるように立体的に組み合わせ、少ない花色ですっきり見せましょう。春から秋まで庭に存在する宿根草なので、花のない時期も葉が美しい植物を選びましょう。
9月号では、小さなスペースでも楽しめる、おすすめの植栽プランを紹介しています。極小スペースや日陰がちの場所など厳しい環境でも、適した植物を選べばちょっとした工夫で楽しめますよ。
サンプルガーデンの初夏。花色が変化するコレオプシス リトルバン スターライト。同時期には柔らかな銀葉に淡い紫色の花が彩りを添えるラムズイヤーなどの花々と咲きそろう。(撮影/桜野良充 撮影協力/ルーシーグレイ)
教えてくれた人/杉山 洋(すぎやま・ひろし) 杉山真奈美(すぎやま・まなみ)
家業のシクラメン生産のかたわら、1991年に花苗や雑貨の販売店を神奈川県藤沢市に開店。シックな花色や個性的な品種など、全国の生産者を訪ねて苗を仕入れ、生産も手がけるユニークな植物が注目を集めている。宿根草の育った姿が見られるサンプルガーデンも人気。
Lucy Gray(@lucygray6565)・Instagram
『趣味の園芸』2024年9月号 「奥行き40cmでOK! 植栽プラン」より
▼この号に掲載されています
小さな庭でも宿根草特集〈うちにぴったり宿根草図鑑〉〈奥行き40cmでOK! 植栽プラン〉〈もっとやさしい宿根草の育て方〉〈シュウメイギク〉〈サルビア〉など。注目特集は秋のタネまき。好きな植物をタネでつなぎ、お気に入りの花を楽しみましょう。自分らしい庭をつくるポイント、夏越しで疲れた草花を秋にもうひと花咲かせる復活術、ボサボサに伸びた生け垣の剪定方法ほか。