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宿根草は最初が肝心!しっかり植えて根づかせよう【3つの基本】

宿根草は最初が肝心!しっかり植えて根づかせよう【3つの基本】
草丈の低い(矮性)宿根アスター。秋に咲くものは花の咲いた苗を植えればすぐに楽しめる(撮影/福田 稔)

同じ場所で何年も生育を続ける多年草のうち、球根植物を除いたものを「宿根草(しゅっこんそう)」と呼びます。長く育てる宿根草は最初の植えつけが肝心。3つの基本を守って、いったん根づけばあとはラク。小さな苗が根を張り、年々株が成長して庭に景色をつくってくれます。宿根草の第一人者、小黒 晃さんに教えていただきました。『趣味の園芸』9月号より、一部を抜粋してお届けします。

 

【基本1】苗の植えつけは、夜が涼しくなってから

 

昨今は9月に入っても暑い日が続きます。地温が高い時期に苗を植えると、根が暑さで弱ってよく張りません。苗の植えつけは夜温が下がり始める秋のお彼岸過ぎから11月末が適期です。早く買った場合は半日陰に置き、水切れさせないように待機させましょう。

 

【基本2】土は軽く耕すだけでOK

 

庭植えの場合、一年草やほかの植物が問題なく育っている場所なら、植えつけの前に土を軽く耕すだけで土壌改良材を加える必要はありません。水はけが悪ければ土に腐葉土を1〜2割混ぜ、レンガ1段分くらい盛り土をして蒸れを防ぎます。

宿根草は、ゆっくり成長させるのが基本。肥料が多いと株が倒れたりするので元肥も不要です。生育がよければ追肥もいりませんが、葉の色が薄くなってきたら緩効性化成肥料を施すとよいでしょう。

 

【基本3】根鉢をほぐして新しい根を出させる

 

ポットから苗を抜いたときに根がガチガチに回っていたら(根鉢)、固まった根が仕切り板になって新しい根が伸びるのを邪魔します。苗の底と肩の固まった部分をちぎり、根鉢全体を軽くほぐしてから植えつけましょう。宿根草は初めにしっかり根づかせれば、あとはラク。植えつけのひと手間で、その後の生育が大きく変わります。 

1週間〜10日程度で新しい根が伸びるので、それまでは乾かさないように株の様子をよく観察して水やりなどに注意します。

 

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底で回っている根は、手でちぎり取る。根鉢のほぐし方は9月号で詳しく紹介(撮影/田中雅也)

 

自然な景色や季節を感じさせてくれる宿根草は、ナチュラルガーデンでも大人気。長く育てる植物は上級者向けと思われがちですが、植えっぱなしで成長を続け、手間いらずでじつは初心者向き。9月号では、初めてでも毎年きれいに咲かせるための宿根草の育て方を紹介しています。宿根草は植えて「完成」ではなく「始まり」です。お気に入りの宿根草を迎えて庭やベランダで、季節の移ろいを感じてみませんか?

 

教えてくれた人/小黒 晃(おぐろ・あきら) 園芸研究家

山梨県北杜市の種苗会社で500種類を超える宿根草ガーデンの管理を担当していた。現在は園芸誌や書籍で宿根草の魅力や育て方を伝えるほか、各地で講習会なども行う。自宅の庭で季節ごとの宿根草の花のリレーを楽しんでいる。

 

『趣味の園芸』2024年9月号 「3つのコツでもっとやさしい 宿根草の育て方」より

 

▼この号に掲載されています

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『趣味の園芸』2024年9月号

小さな庭でも宿根草特集〈うちにぴったり宿根草図鑑〉〈奥行き40cmでOK! 植栽プラン〉〈もっとやさしい宿根草の育て方〉〈シュウメイギク〉〈サルビア〉など。注目特集は秋のタネまき。好きな植物をタネでつなぎ、お気に入りの花を楽しみましょう。自分らしい庭をつくるポイント、夏越しで疲れた草花を秋にもうひと花咲かせる復活術、ボサボサに伸びた生け垣の剪定方法ほか。

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