園芸・ガーデニング作業の基本 ~初心者のための基礎知識~

挿し木(挿し芽)で植物を増やす方法

テーマ 挿し木、接ぎ木、取り木
講師
挿し木または挿し芽は、切った枝や芽を土に挿して、植物を増やす方法です。手軽に同じ植物の苗をつくることができるので、たくさん苗を増やしたい場合に向いています。植物を増やすには一番簡単な方法で、初心者でも簡単に行うことができます。ふつう、樹木の場合は「挿し木」、草花の場合は「挿し芽」といい、どちらも同じ作業です。

挿し木をする前の準備(挿し床の用意)

挿し木をする前に、用土が入った容器(挿し床)を用意します。
挿し木に使う容器は、通気性のよいものが適しています。通気性が一番よいのは素焼き鉢ですが、ビニールポット、駄温鉢などでも大丈夫です。また、多量に挿す場合は、育苗トレイ(育苗箱)がもってこいです。発泡スチロール箱の底に穴をあけて使用することもできます。

挿し床

挿し木に適した用土は?

水はけがよく、清潔で、肥料分がないことがよい用土の条件です。水はけがよくても乾燥しやすい用土は、水やりの管理が難しくなるので、土の乾き具合をよく観察することが必要です。
用土に適するのは、赤玉土、鹿沼土、川砂、パーライト、バーミキュライトなどです。粒の大きさがいろいろある場合は、小粒を使用します。ふつう、用土は単用で使用します。日当たりがよく、水はけと水もちがよい場所なら、庭への直挿しも可能です。

挿し芽の方法

インパチェンスを例に、挿し芽の手順を紹介します。枝を切り取ってから水あげまでを短時間に行い、挿し穂を乾燥させないことがポイントです。

挿し木(挿し芽)の方法1

1.よい枝を選んで切り、花や蕾を切り落とし、挿し穂に適した長さに(草花は5cm程度)、枝を切り分ける。切り口は斜めにする

挿し木(挿し芽)の方法2

2.葉を2~3枚残し、下の葉を切り取る

挿し木(挿し芽)の方法3

3.残した葉を半分以下の大きさに切り、挿し穂を完成させる

挿し木(挿し芽)の方法4

4.半日以上、水につけて吸水させる

挿し木(挿し芽)の方法5

5.切り口をつぶさないように、ピンセットで挿し穂を挟み、葉が触れ合わない程度の間隔で、挿し床に挿していく

挿し木(挿し芽)の方法6

6.挿し終わったら、たっぷり水を与える。発根するまでは明るい日陰で管理する

[関連]インパチェンスの植物図鑑

挿し穂の切り方

枝が柔らかいものは片側だけを斜めに切り、枝が堅いものは、両側を斜めに切り、くさび形にします。

挿し木ができる植物は?

挿し木ができる植物は、あげるときりがないほどたくさんあります。けれども、挿し木ではふやせない植物もあります。挿し木は簡単にできるので、挿し木が可能かどうかを知りたいときは、実際に挿してみるのが、一番よい方法です。

挿し木を行う時期(休眠枝挿しと緑枝挿し)

植物によって発根しやすい時期があるので、もし失敗しても、時期を変えて何回か挿してみましょう。
挿し木には、休眠枝挿し(硬熟枝挿し)と、緑枝挿しがあります。休眠枝挿しとは、前年に伸びた枝を使う方法です。多少古い枝でも可能ですが、新しければ新しいほど、よく発根します。緑枝挿しとは、最も普通に行われる挿し木の方法で、今年伸びた枝を挿します。

水に挿すだけ!水挿しに挑戦

花びんやコップなどに切った枝を挿しておくだけで、発根する植物があります。上手に管理すると、思わぬものが発根するので、ぜひ試してみてください。

挿し木(挿し芽)の方法5

トラデスカンチアの水挿し(キク、イポメア、アイビー、ヤナギなどが簡単に発根する。上手に管理すると思わぬものも発根することが)


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